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西室氏ら財界人が次々固辞 NHK次期会長人事が迷走

J-CASTニュース / 2007年12月16日 17時58分

西室氏ら財界人が次々固辞 NHK次期会長人事が迷走

NHKの会長人事が迷走している

   NHKの次期会長人事が迷走している。NHK経営委員会(委員長・古森富士フィルムホールディング社長)は橋本元一現会長を再任せず、外部から新たに起用することを決めた。財界人を中心に選考する考えだ。しかし、これまでも何人かに打診したが体よく断られてきた。古森委員長は年内決定の方針だが、内部昇格説も出るなど事態は流動的で、越年する可能性もある。

「格下の古森委員長の下で働くのでは」

   橋本会長の任期は2008年1月で切れる。経営委員会は2007年12月13日、「抜本的な改革を成し遂げられる人材の起用が大事」として、年内にも次期会長を最終決定するという。

   NHK会長をめぐっては、安倍前首相がNHK経営委員長に古森氏を抜擢、次に民間人の会長起用を狙った。前首相は西室泰三・東京証券取引所会長(元東芝会長)を推した。豊富な人脈、すぐれた国際感覚から適任とみていた。財界も西室NHK会長になれば東証会長ポストが空くので歓迎していたが、最終的に西室氏は断った。

   政権をほっぽり出してしまった安倍氏の後任の福田首相はNHK会長については「経営委員会にまかせる」というスタンスだが、政府部内は相変わらず民間人起用が根強い。西室氏のほか、丹羽宇一朗・伊藤忠会長、南直哉・前東電社長らにも声をかけたが、いずれも断られたようだ。

「NHK会長は外国へ出かければ国賓待遇だが、年収は3千万弱と低く、国会答弁など難儀で忙しい。さらに、最近、経営委員会の力が強まって、会長になっても財界では格下の古森委員長の下で働く形になる。そうなると、大物財界人のなり手はいなくなる」(政治部デスク)

NHKのOBを推す声もある

   切羽詰った経営委サイドからはNHK理事出身の和崎信哉WOWOW社長の名前も挙がった。和崎氏は「古巣のことは大変心配しているが、(その気は)まったくない」と否定。NHK内にも「カネに転んで民間へ移った人物。NHKを裏切った男がトップで戻るなんてとんでもない」と反発が強く実現性はない。

   こうした中で、古森経営委員長の任期の切れる08年12月まで2人とも留め置くという見方も出ている。さらに新会長にNHKのOBを推す声もあり、事態は混沌としている。

   受信料値下げをめぐって橋本会長と古森委員長は対立してきた。それでも、橋本会長は12月の定例会見で「なすべきことは多々あり、会長職につく人間として果たさなければいけないという思いはある」と続投への意欲をにじませていた。

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