医薬基盤研究所がトキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクトの研究成果をWebサイトで公開

JCN Newswire / 2012年3月29日 17時34分

Tokyo, Mar 29, 2012 - (JCN Newswire) - 独立行政法人 医薬基盤研究所(所在地 : 大阪府茨木市、理事長 : 山西 弘一/以下、医薬基盤研)が中心となり、国立医薬品食品衛生研究所(所在地 : 東京都世田谷区、所長 : 大野 泰雄/以下、国衛研)と製薬企業13社とともに、安全な医薬品の創製に貢献することを目的として2002年度から10年に渡り化合物の遺伝子への影響などを研究してきた「トキシコゲノミクスプロジェクト」(Toxicogenomics Project/以下、TGP1)ならびに「トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト」(Toxicogenomics Informatics Project/以下、TGP2)の成果を纏めたデータベースが、3月30日よりインターネット上で公開されます。

なお、TGP1ならびにTGP2で利用されたシステムは、株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)が構築し、運用をサポートしています。サーバには日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」、ストレージシステムには日立のミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage」などを適用し、そのハードウェア上で「サーバーサイドJava」、「Oracle(TM)」、統計ソフト「R」(アール)を活用することで、およそ10億件の大規模遺伝子発現データの解析(クラスタリング、判別分析)と毒性予測を行なうシステムを実現しました。なお、データベースは日立が最適化を行い、レスポンススピードの高速化などを実現しました。

医薬基盤研は、2002年度からTGP1を、また、その研究成果を発展させた研究として、2007年度から第2期プロジェクトであるTGP2を推進してきました。

TGP1では、より安全な医薬品の創製に貢献するために、どのような化合物(医薬品など)が、どのような遺伝子に影響してどんな副作用を起こすかを解明し、副作用が少ない医薬品づくりにつながる研究を2002年から2006年度までの5年間をかけて実施しました。なお、このTGP1は2010年の第8回産学官連携功労者表彰(日本学術会議会長賞)を受賞しています。

TGP1の成果として、150の化合物(医薬品など)をラット個体およびラット・ヒトの初代肝細胞へ曝露した際の毒性となる化合物の「毒性情報」や化合物による遺伝子への影響という「遺伝子発現情報」を取得し、大規模かつ良質な「トキシコゲノミクスデータベース」を構築しました。さらに、本データベースに、解析および毒性予測システムの機能を付加したソフトウェア「TG-GATEs」(ティージーゲイツ : Toxicogenomics Project-Genomics Assisted Toxicity Evaluation system)を開発しました。

トキシコゲノミクスデータベースおよびTG-GATEsを活用することにより、従来型の安全性試験では難しかった創薬研究の早期段階で医薬品候補化合物の毒性を、効率的に評価・予測することが可能となり、医薬品の安全性研究は、メカニズムに裏づけされた毒性発現のリスクアセスメントに向けて大きな一歩を踏み出しました。

こうした研究成果を発展させるべく、医薬基盤研は、国衛研と製薬企業13社と共同で、TGP1の継続研究であるTGP2を2007年度から開始し、このたび、完了しました。TGP2では、非臨床試験・臨床試験の効率化を目的に、TGP1で開発した「TG-GATEs」を活用し、(毒性)メカニズムに基づいた安全性バイオマーカーの研究をはじめ、ヒトへの外挿性の向上およびレギュラトリーサイエンス*1の基盤整備を推進してきました。

TGP2の成果として、30種以上の安全性バイオマーカーの開発に成功したほか、バイオマーカーの検証あるいは機序解析などを目的にTGP2で取得された追加データもTG-GATEsに収載しました。このTG-GATEs(データを除く)は、来年度に医薬基盤研から配布するように現在準備を進めています。

*1 レギュラトリーサイエンス : 我々の身の回りの物質や現象について、その成因と実態と影響とをより的確に知るための方法を編み出す科学であり、次いでその成果を使ってそれぞれの有効性(メリット)と安全性(デメリット)を予測・評価し、行政を通じて国民の健康に資する科学

今後、医薬基盤研では、今回の成果を広めていくほか、引き続き、医薬品・医療機器の開発に資する基盤技術を研究し、研究開発を振興することを通じて、革新的医薬品などの創出に貢献し、国民保健の向上に資していきます。

また、日立は本プロジェクトで培った大規模データの解析基盤構築のノウハウを用いて、大規模データ利活用に関するコンサルテーションからシステム構築に至るシステムライフサイクル全般におけるサービスを充実させていきます。

「トキシコゲノミクス・インフォマティクスプロジェクト」成果公開ページ
http://toxico.nibio.go.jp/

成果公開ページで公開される情報について

本サイトでは、TGP1およびTGP2で実施した動物試験において作製した肝臓、腎臓の病理 標本(170化合物、約55,000枚)の高解像度デジタル病理画像が公開されます。統一された実験デザイン(4時点、4用量、1群5匹)で実施された全個体の肝臓、腎臓の病理標本画像が公開されることで、だれでも好きな時に好きな倍率(×1~×40)で自由にOpen TG-GATEsに登録されている病理所見の確認を行うことができます。また、多くの研究者が病理画像の見方などを学習できる機会が生まれます。このような取り組みは世界で初の試みであり、病理学に大きなインパクトを与えるデータ公開と言えます。

また、あわせて、131におよぶ化合物をラット個体に投与し、そこで得られた各種毒性学的なデータを纏めたトキシコゲノミクスプロジェクト毒性データ集のほか、これまで、TGP1とTGP2の10年間のプロジェクト期間を通じて蓄積をしてきた、アフィメトリクス社のマイクロアレイ「Affymetrix(R) GeneChip(R)解析」の実験を行う上での実験手順書(SOP : Standard Operation Protocol)が公開されます。

なお、本サイトにて今回公開されたTGP1およびTGP2の研究成果と、今後公開を予定しているシステム「TG-GATEs」を活用することで、通常10年単位の年月が必要とされる医薬品の研究において、早期の段階での安全性予測などに貢献できるため、今後、研究期間の短縮やより安全性の高い創薬へとつながることが期待されます。

「トキシコゲノミクス」について

「トキシコゲノミクス」とは、毒性学の「トキシコロジー」(Toxicology)と遺伝子学の「ゲノミクス」(Genomics)を掛け合わせた毒性ゲノム学という合成語で、動物やその細胞に薬物をさらして遺伝子にあらわれた現象の解析を行うことにより、遺伝子レベルで毒性発現メカニズムの解明や毒性予測を行う新しい学問領域です。

独立行政法人 医薬基盤研究所について

医薬基盤研は国衛研大阪支所を主な母体に、国立感染症研究所、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の組織の一部を統合して、2005年4月に創設されました。創薬支援に特化した独立行政法人として民間企業、大学などにおける新たな医薬品・医療機器の開発をめざした研究開発を支援しています。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/03/0329a.html

株式会社 日立製作所

詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。



Source: 株式会社 日立製作所

Contact:

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ
担当 : 米山、西本
 http://www.hitachi.co.jp/Div/jkk/inquiry/inquiry.html 
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