ある日突然犯人扱いされる「ネットリンチ」が急増

J-CASTテレビウォッチ / 2017年11月14日 15時50分

ツイッターやブログである日突然殺人犯扱いされる「ネットリンチ」が急増している。罵詈雑言のメールや電話が殺到し、仕事に支障が出、身の危険を混じることもある。容疑者と名前が似る、住所が近いなどのささいというよりは根拠にならない理由からだ。調べると、誤解や偏見を引き起こす要因が野放しになっていた。

根拠ない非難の嵐が集中するネット炎上の記録を分析すると、政治家や芸能人といった有名人でもない一般の人がターゲットにされていた。福岡県の石橋秀文さんに10月(2017年)に持ち上がった事態もそうだった。

前日に東名高速で起きたあおり運転からの夫婦死亡事故。その容疑者と名字がいっしょで、福岡県で建設業を経営することから「父親だ」というデマがツイッターやネット掲示板に流れ、広がった。夜中の2時や3時に電話が100件以上殺到。「身内ではない」と言っても、「嘘だ」「とぼけるな」「極道をなめんな」と話にならない。石橋さんは会社を一時休業させられた。

タレントのスマイリーキクチさんは女子高生殺しの容疑者グループと同じ東京足立区出身というのがきっかけで「女子高生をコンクリート詰めにした」と書き込まれ、仕事が激減、殺害予告を受けた。「18年たってもある」という。

自身もネットリンチの被害にあった唐澤貴洋弁護士は「まったく関係ない人が標的にされる危険性」を指摘する。スマイリーさんは「気にくわないというだけで無関係でもネットにさらされる。いつ被害にあうかわからない」と恐怖を語る。

実際に個人の情報がネット上では簡単に特定される。自身のサイトを「カギつき」とよばれる非公開にしていても、その友人サイトが公開されていれば、やり取りから名前や住所につながるヒントが漏れる。「誕生日おめでとう」とあれば、それで推測できる。居住地や出身校などもそうだ。

凶悪事件の容疑者が逮捕された翌日には住所や電話番号、ときには所属会社の地図までが表示されるというから、行き過ぎよりも悪質だ。

経験者は「電車に乗っているときに暇つぶしに調べた」「パズルを解くみたいだった」という。唐澤さんにネットリンチを仕掛けた男は「殺害予告で盛り上がった。一体感というか、社会で得られなかったものがネットリンチで得られる」「悪いことだとは思っていなかった。異常だった」と話した。ちょっとしたイタズラの感覚で、罪悪感はない。

国際大の山口真一講師は、加害者の「ゆがんだ正義感」を指摘する。「一部のものすごく正義感を振りかざす人がやってしまう」と分析する。便乗する、楽しむ、許せないといった正義感型で、「自分たちの軸で裁いているのがネットの現状」というのだ。

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