渡部暁斗、2大会連続「銀」ラージこそ「金メダルをとらないと次に進めない」

スポーツ報知 / 2018年2月15日 5時10分

銀メダルを獲得しガッツポーズする渡部暁(カメラ・相川 和寛)

◆平昌五輪第6日 ノルディック複合個人ノーマルヒル(14日、アルペンシア距離センター)

 2大会連続の銀メダリストが、2人誕生した。スノーボード男子ハーフパイプ(HP)決勝で、平野歩夢(19)=木下グループ=が95・25点で銀。2回目のランで大技「ダブルコーク1440」の連続技に成功し一時トップに立ったが、最終滑走した王者ショーン・ホワイト(31)=米国=に97・75点で逆転を許した。複合個人ノーマルヒル決勝では、渡部暁斗(29)=北野建設=が銀で、冬季五輪の日本勢で通算50個目となるメダルを獲得。スノーボードも複合個人も2大会連続の表彰台は日本勢初だった。

 背中が遠ざかった。残り1キロを切った上り坂。先頭集団の渡部暁は白い息をついて両手両脚に力を込めたが、前回覇者のフレンツェルに突き放された。「来るなというのは分かっていた。微妙に勝ちきれなかった。確実に力の差があるから、あの展開だと厳しい」。ソチは4秒2差、今回も4秒8差で金に届かず「ミスターNO2」を返上できなかった。ただ、複合日本勢で初の個人2大会連続銀。日本勢冬季通算50個目のメダル。歴史は作った。「素直にうれしい。今日は(テレビの)チャンネルを変えられなかったかな」と笑わせた。

 前半飛躍は105・5メートルまで伸ばし、首位と28秒差の3位。それでも後半距離は「簡単なレースではない」と覚悟した。クロカン巧者のフレンツェルが8秒後に発進するからだ。3・5キロ過ぎから5人のトップ集団を形成。3~4メートル前後の強風にさらされながら、フレンツェルと交互に先頭を引っ張り合った。抜きつ抜かれつ、勝負の時を探った。風の影響が少ない集団後方で勝ちに徹する手もあったが、W杯個人総合首位の渡部暁は潔しとしない。「フェアな戦いで勝ちきるのが理想。楽しかった。勝ったのが(集団後方で走った銅のクラプファーでなく)彼で良かった」とフェアプレーを貫く姿がすがすがしい。

 何でも試す人だ。夏季の練習は自転車、水泳、ボルダリング、湖でのカヤック。ヨガやピラティスなど、静的な動きも取り入れた。一見、複合に関係がなさそうでも「どう速く泳ぐか、どう壁を登るかといった動きの経験が体に蓄積されると、きっと競技に生きる」という信念で汗を流した。早大時代に指導した倉田秀道さん(56)も「誰かの言いなりになるのではなく、常に『何が自分にとってベストなのか』を考えていた」と印象を語る。瞬発力(飛躍)と持久力(距離)、相反する2つが求められる複合競技。視野の広さで、トップクラスに君臨し続けている。

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