いま、倉敷・真備町では何が必要なのか 住民に聞くと...「トイレ」「水」そして「車」

J-CASTニュース / 2018年7月11日 20時25分

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「尚@真備町住民」さん提供。豪雨に見舞われた町の様子

「私たちも生活支援、生活再建、しっかり支援していきますから」――2018年7月11日、平成30年7月豪雨に見舞われた岡山県を視察した安倍晋三首相は、住民にこう語りかけた。

記録的な大水害の発生から、5日が過ぎた。首相は「しっかり支援」と宣言したが、地元ではいったい何が必要とされているのか。

「必要なものが変わっているというのが、うまく伝わらない」

「今からは清掃に移るので、必要なものが変わっているっていうのが、上手く伝わらない」――J-CASTニュース編集部が2018年7月11日、ダイレクトメッセージ(DM)を通じて話を聞いた「尚@真備町住人」さんは、こう語る。

約50人の犠牲者を出した倉敷市真備町には、全国から大きな関心が集まっている。首相の訪問もその表れだ。支援物資も多く寄せられ、11日から本格的なボランティア活動も始まった。

しかし、ミスマッチも起きている。10日には、支援物資をさばくことが不可能になり、市が受け入れの一時中止を発表する事態となった。NHKニュースによれば、「被災者のニーズと合っていない秋冬の衣服」まで届き、かえって避難所のスペースを圧迫する事態が起きた、という。またボランティアも、大渋滞もあり思うように動けず、11日午後の作業を中止せざるを得なくなった。

今、地元が必要としているものは何だろうか。上記の「尚」さんによれば、地元は今、浸水に見舞われた家屋や道路などの片付け、そしてそれによって生じた大量のゴミの処理といった、「清掃」が目下の課題となっている。

「今はとにかく、片付けしている場所での仮設トイレや水が欲しいです。あと清掃に関するもの」

「車」が被災地には必要だ

ライフラインの復旧はまだ道半ばだ。特に水道は深刻な影響を受けている。11日の時点では、一部の地域で「試験通水」が時間を区切って行われているものの、まだ飲料水として使える状態ではない。また、倉敷市によれば11日18時時点で、真備町内では避難所を除き、11か所39基の仮設トイレが設置されているが、まだ十分とは言い難い。

また、もう一つ挙げるのが「車」だ。今回の水害では、自家用車が水没し、使えなくなった人は少なくない。そうした中で、清掃で生じた不要物などを運ぶためにも、車、特に「軽トラや2トン車」などがあれば、と「尚」さんは言う。

過去の災害でも、被災後の「車」の必要性はしばしば指摘されている。復旧がひと段落した後の生活再建のためにも、足となる車は重要となる。

実際に、「車」を使った支援に乗り出す動きもある。東日本大震災をきっかけに発足した日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)では、豪雨被災地で車の無料貸し出しを近く始める。8日からは、そのための軽自動車の寄付を募集中だ。

テレビが見られるようになって喜んだ住民が...

「尚」さんから、こんな話があった。テレビがようやく復旧した際の、「近所のおじいさん」のことだ。

最初はとても喜んでいたこの男性は、ニュースを見るうちにすっかり落ち込んでしまったという。どこの局も繰り返し、地元を見舞った水害の「悲惨な映像」を流しているからだ。その効果に一定の理解を示しつつも、こうした報道が「あまりにも私たちの心を折る」と「尚」さんは言う。

決して「大きな町じゃない」真備町で、「昨日まであったもの」が「町単位」でなくなった辛さ。町のこれからへの、見通しの立たなさ。不安を抱える「尚」さんだが、「伝えてほしいこと」を尋ねると、仮設トイレの設置や水道の復旧が進みつつあることに触れ、「あとは私たちが頑張るだけです」として、このように記していた。

「最初に流れた水没した映像に踊らされず、必要以上の同情を持たず、必要以上の義憤に駆られず、町が立ち直った時に、真備町や倉敷市でお金を落としに遊びに来てほしい、ということです。皆さんの善意が必ずしも私たちのためになるわけではないと、心のどこかに留め置いてほしい、ということです」

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