17年ぶり復活「スープラ」の実力は? 「シルキーシックス」採用が意味するもの

J-CASTニュース / 2019年5月23日 7時0分

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国内発売されたトヨタの新しいスープラ

トヨタ自動車がBMWと初めて共同開発した新型スポーツカー「スープラ」が5月17日、世界市場に先駆け日本国内で発売された。

スープラは先代モデルが排ガス規制の影響などで2002年に生産を終了しており、17年ぶりの復活となる。

直列6気筒、FRのDNAを継承

トヨタは2012年にSUBARU(スバル)とスポーツカー「86」を共同開発しており、他メーカーとのスポーツカーの共同開発は2車種目となる。86はスバルの水平対向4気筒エンジンを採用したが、スープラはBMWの直列6気筒エンジンを採用。トヨタは「BMWとの共同開発」と説明するが、直列6気筒エンジンの生産をやめて久しいトヨタにとっては、BMWが得意とする直列6気筒を手に入れるのが、2013年に締結した包括提携の目的だったとみられる。

スープラは1978年に日本名「セリカXX(ダブルエックス)」として登場。1986年から日本でも世界統一名称のスープラに改称し、トヨタのフラッグシップスポーツとして人気を呼んだ。歴代スープラは直列6気筒エンジンを積むFR(後輪駆動)車で、いわばスープラのアイデンティティーとなっていた。

トヨタは直列6気筒とFRのふたつのDNAを新型モデルに継承。さらに今回は「ホイールベース、トレッド、重心高の三つの基本要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリング性能を実現した」という。

ホイールベースは2シーターに割り切ることで、86より100ミリ短い2470ミリを実現。ホイールベースとトレッドの比は1.55と「他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの小さい数値を達成し、優れた回頭性を実現した」という。トヨタによると、この比率が1に近いほど回頭性が高く、2に近いほど直進安定性を重視したハンドリングになるという。

86よりも「さらに低い重心高」

重心高にもこだわり、スバルの水平対向エンジンで低重心が特徴の86よりも「さらに低い重心高を実現した」というから驚きだ。前後重量バランスも、理想とされる50対50を達成している。

直列6気筒エンジンは「シルキーシックス」の異名で呼ばれるように、絹のように滑らかな回転バランスが特徴だ。衝突安全性やスペース効率などから、トヨタ、日産はじめ世界の自動車メーカーは直列6気筒の生産をやめ、V型6気筒エンジンに移行した。BMWが直列6気筒にこだわる理由は、高級車やスポーツカーにはシルキーシックスがふさわしいと考えているからだ。

17年ぶりとなるスープラの直6ターボエンジンは3リッターで、最高出力250kW(340PS)、最大トルク500N・m(51kgf・m)のハイパフォーマンスを誇る。直列4気筒の2リッターバージョンもあるが、せっかくスープラを選ぶのであれば、日産GT-RやフェアレディZ、ホンダNSXにもない直6エンジンだろう。ライバルのこの3車はいずれもV型6気筒エンジンだ。

共同開発の新型スープラは「BMW Z4」と兄弟車になる。この点は86とスバルBRZの関係と同じだが、トヨタは「スープラのチューニングはZ4と別のチームで行なっており、86とBRZの兄弟関係とは異なる」と説明している。

新型スープラはBMWが本社を置くミュンヘンを拠点に共同開発し、BMWが生産を委託するオーストリアの工場で生産する。トヨタの開発チームは「ドイツのニュルブルクリンクサーキットの走りこみはもちろん実施しているが、欧州のカントリーロードやアウトバーン、北欧の氷雪路、日本のワインディングロードなど世界中のあらゆる道を走り、クルマを操る楽しさを感じていただけるようチューニングした」という。日本に続き、欧州と米国では今夏の発売となる。

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