コード決済の「勝ち組」「負け組」 サバイバル期を生き抜く戦略

J-CASTニュース / 2020年7月12日 7時0分

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ひっそりと消えたオリガミペイ

名称を覚えられないほど種類が多いことから、「何とかペイ」とも皮肉られるバーコードやQRコードを使ったスマートフォン決済(コード決済)の一つが2020年6月末、ひっそりとサービスを終了した。

2016年にコード決済を始めた「オリガミペイ」だ。日本における先駆者であっても生き残れず、コード決済業界はサバイバル期に突入した。

決済アプリを起点に、お金や情報を落としてもらう

オリガミペイを運営していた株式会社Origamiは、「お金、決済、商いの未来を創造する」とのミッションの下、2012年に設立されたベンチャー企業だった。日本初のコード決済として「オリガミペイ」を運営し、18年には信用金庫のセントラルバンクである信金中央金庫と資本業務提携を結び、特に地域の中小事業者のキャッシュレス化を推進してきた。

しかし、携帯電話事業者など大手資本がコード決済に相次いで参入。特に18年10月にサービスを開始したソフトバンク系の「ペイペイ」は、豊富な資金力を後ろ盾にして赤字覚悟の大規模な還元キャンペーンを次々と展開した。利用者はキャンペーンに飛びつき、強力なバックを持っていなかったオリガミペイはジリ貧となり、赤字が続いていた。20年1月にコード決済「メルペイ」を運営するメルカリの傘下に入ることを決め、事実上の事業整理を始めていた。

事業者の数は多いが、コード決済事業そのものが莫大な利益を生み出すわけではない。ペイペイはサービス開始当初から、利用者に向けては「100億円あげちゃうキャンペーン」などの還元策を展開しており、加盟店に対しては手数料を低く設定することで、利用者と加盟店を増やしてきた。これによって多くの人のスマホにペイペイのアプリがダウンロードされ、日常生活に欠かせないアプリになりつつある。このアプリを起点として、利用者をさまざまなサービスに誘導して、お金や情報を落としてもらう――。ペイペイに限らず、大手のコード決済事業者はこうした戦略を描いているのだ。

「勝ち組」たちが踏み出す戦略

既にほとんどのコード決済アプリには、資金決済の機能が組み込まれている。みずほフィナンシャルグループとソフトバンクが提携して、ペイペイの利用者に対して、個人の信用力を人工知能(AI)で判定する「信用スコア」を使った個人向け融資などのサービスを提供することを決めたのは、まさにコード決済アプリを通じた戦略が動き始めたことを示している。

ただ、こうして次のステップに踏み出せるコード決済は「勝ち組」であり、乱立する規格の中には生き残りに向けてライバル同士が手を結ぶ動きも出始めている。NTTドコモが展開する「d払い」とメルカリが展開する「メルペイ」は、加盟店の店頭に掲示するQRコードを2020年9月から共通化する。両社は2月にキャッシュレス分野で業務提携を結んでおり、その施策の一環となる。

「楽天ペイ」と「Suica」、「au PAY」と「Ponta」といったコード決済と交通系電子マネーや共通ポイントサービスの連携も始まっている。「LINEペイ」を運営するLINEとソフトバンク系のZホールディングスの経営統合も決まっており、LINEペイとペイペイの今後の関係にも注目が集まる。また今夏には、総務省が旗振り役となったコード決済の統一規格「JPQR」が全国で本格的に導入される。コード決済を中心として、生き残りを懸けた合従連衡が今後も進んでいきそうだ。

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