巣ごもり需要の波捉え... シャープの株価「好調」はいつまで続く?

J-CASTニュース / 2020年8月23日 21時0分

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好調が長続きするかは…?(イメージ)

シャープの株価が8月6日、一時前日終値比13.1%(148円)高の1280円まで上昇し、約2カ月ぶりの高値をつけた。その後もやや落としつつ、崩れることなく6日の高値近辺で推移している。

前日5日に発表した2021年3月期連結決算の業績予想で、純利益を前期比2.4倍の500億円と見込んだことが好感され、買いを集めた。ただ、成長力に懐疑的な見方もあり、さらに株価が上昇気流に乗るかどうかは見通せない。

「10万円給付金」が追い風に

まずはこれまで「未定」としていた業績予想を確認しよう。「各国で経済活動の正常化が段階的に進んでいく」ことを前提にしている。売上高は前期比3.5%増の2兆3500億円、営業利益は55.4%増の820億円で純利益は先述の通りと増収増益を予想する。純利益の伸びが大きいのは、前期に退職給付費用の増加などの特殊要因が含まれたことの反動もある。

予想を導き出している2020年4~6月期連結決算も同時に発表した。売上高が前年同期比0.4%増の5172億円、営業利益が37.8%減の90億円。純利益は36.6%減の79億円だった。新型コロナウイルスの影響はあったものの、純損益が赤字だった1~3月期から黒字転換を果たした。営業利益は前年同期に比べれば2桁減益ではあるが、市場予想平均が6億円だったから、「ポジティブサプライズ」と言っていい水準だ。コロナのプラスの側面として、「巣ごもり」でエアコンや電子レンジなどの白物家電、またテレビなども好調だったことが下支えした。

事業別にみると、家電を含む「スマートライフ」は売上高が1.9%増の1845億円、営業利益は2.1倍の134億円だった。これが「通期で純利益500億円」の原動力になるとシャープはみているようだ。SMBC日興証券は7月下旬のシャープのリポートで「足元でのコロナの影響は当初想定と異なり、テレビや白物を中心に給付金特需が発生している」と記し、日本国民に一律10万円給付する対コロナの政策がシャープに追い風になっていると指摘した。

一般的な家電だけでなく、シャープらしい「ひとひねり」した家電も好調のようだ。例えば、具材を入れるだけで自動的に調理する「ヘルシオホットクック」シリーズや、「過熱(加熱ではない)水蒸気」を使っておいしく焼き上げるというトースター「ヘルシオグリエ」シリーズは巣ごもり需要のひき出しに成功している。

主力事業の「赤字」をどう見るか

ただ、液晶パネルなど主力の「8Kエコシステム」が49億円の営業赤字(前年同期は65億円の黒字)に陥ったことは不安材料だ。何と言ってもスマホ用パネルは今後、有機ELに切り替わっていく見込み。シャープは業績予想発表と同時に液晶パネルなど「ディスプレイデバイス」を10月に分社化すると発表した。「他社からの出資による外部資金獲得も視野に入れる」としており、もはや「液晶のシャープ」ではなくなりつつあることをも示している。

一方、好調な家電にしても、給付金特需が支えているならば、それはまさに一過性の出来事であって、早ければ2021年3月期中にその効果ははげ落ちる。SMBC日興証券は2021年3月期連結決算の業績予想について「過去のトラックレコードを踏まえても達成のハードルは高い」と指摘した。常に堅めの予想を出すトヨタ自動車とは対照的な会社だということを意味しているのだろう。株価が上昇基調を続けるか、否かのハードルも高い可能性がありそうだ。

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