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「大塚家具」の名前が消える!? ヤマダHDが完全子会社化 久美子元社長は何を思う......

J-CAST会社ウォッチ / 2021年6月23日 7時0分

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「大塚家具」の名前が消える?(写真は、東京・新宿ショールーム 2015年2月撮影)

大塚家具が2021年9月1日付でヤマダデンキなどを展開するヤマダホールディングス(HD)の完全子会社となり、上場廃止されることになった。

お家騒動で世間を騒がせ、経営不振に陥り、ヤマダの傘下に入っていたが、再建の見通しが立たないなか、大塚家具は経営の独立性を完全に失い、名称存続さえ危ぶまれる事態に追い込まれた。

資本・業務提携で久美子社長は「延命」も......

完全子会社化は株式交換方式で実施。ヤマダホールディングス(HD)は、大塚家具の株式の51%を保有するが、残る49%について、大塚家具1株に対して、ヤマダHD株0.58株を割り当てる。7月29日に開く予定の大塚家具の定時株主総会での承認を経て、大塚家具は8月30日付でジャスダック市場の上場が廃止となる。

近年の大塚家具のたどった道を振り返っておこう。2014年、創業者の大塚勝久氏が娘の久美子社長を解任し、会長だった勝久氏が社長を兼務したことで「お家騒動」が勃発。株主を巻き込んでのプロキシファイト(議決権争奪戦)の末、久美子氏が2015年に社長に返り咲いた。

会員制・マンツーマン接客による高額品路線の継続を求める勝久氏に対し、低迷する業績回復には会員制をやめ、来店しやすい店づくりで売り上げ増を目指す久美子氏――という路線対立だった。

しかし、久美子社長の下、業績回復は遅々として進まなかった。ニトリやイケアなどが消費者の低価格志向をつかんのに対し、大塚家具の立ち位置は「高級品なのか、低価格品なのか、どっちつかず」で、売り上げは回復せず、2016年12月期から最終赤字が続いた。

外部からの資金支援を得ようとするなど迷走の末、2019年2月にヤマダHDと業務提携。同年12月にはヤマダが大塚家具に43億円を出資して株式の51%を取得し、ヤマダの子会社として再建を目指した。

久美子社長は続投したが、業績悪化に歯止めがかからず、2020年12月に社長と取締役を引責辞任し、ヤマダの三嶋恒夫社長(当時は大塚家具会長兼務)が大塚家具社長を兼務して今日に至っている。

それから半年余りでの今回の完全子会社化決定は、大塚家具の業績を見れば、意外とは言えない。2021年4月期決算は、最終損益が23億円の赤字(前の期は16か月の変則決算のため同期間では60億円の赤字)と5期連続の赤字。決算書には企業の存続が懸念される「注記」(ゴーイングコンサーン)が引き続き記載されている。

「ヤマダ家具」になる日

じつは、51%出資・子会社化の時点のニュースリリースは、大塚家具が「いずれのグループにも属さない事業体としてビジネスモデルを進化させてきた」と評価する記述があり、ヤマダHDは大塚家具の一定の独立性を尊重する姿勢だったとされ、久美子社長の続投がその証左とされる。

ただ、大塚家具の経営再建の取り組みは、ヤマダHDを満足させるものではなかった。ヤマダ傘下入りで、家具と家電の同時販売などを通じて21年4月期の黒字化を目標にしていた。既存店は、ヤマダから仕入れた家電の販売などで減収に歯止めがかかったが、それでも全社の売上高は計画を1割近く下回っていた。

今回の完全子会社化の理由を、ヤマダは「迅速な意思決定下での抜本的な構造改革」を進めるためだと説明している。ヤマダとの協業のスピード感で、久美子前社長など大塚家具との認識の差は大きかったということだろう。

少子高齢化が進む中で、ヤマダは家電だけでは成長が見込めないとして、家電を軸に家具や住宅などを扱う「暮らしまるごと」戦略を掲げ、リフォームや新築戸建て住宅、家具などに事業を拡大してきた。家具・インテリアも扱う「家電住まいる館」を中心に、100以上のヤマダの店で大塚家具の商品を販売してきた。

この路線をさらに加速し、売り場の半分弱を家具や雑貨などの「非家電」にする新業態の店舗を21年から年間30店程度出店する方針を打ち出している。ここでは、大塚家具の高級メーカーから仕入れる力、高額品を販売するノウハウは大きなカギになる。だから、大塚家具がこれ以上再建に手間取るのを待ってはいられないということだろう。

ヤマダHDが2011年に買収した名門ハウスメーカー「エス・バイ・エル」は業績不振を脱せられず、18年に完全子会社化。ヤマダの他の住宅子会社と合併し、社名も「ヤマダホームズ」となった。大塚家具が「ヤマダ家具」となる日が遠からず来るのだろうか。(ジャーナリスト 済田経夫)

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