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JALが「3つのLCC」を持つ理由 従来路線との競合に懸念も...担当者「マーケット全く違う」

J-CASTニュース / 2021年6月30日 16時2分

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LCC3社の機体と客室乗務員が一堂に会した。左からジェットスター・ジャパン、春秋航空日本、ジップエア

コロナ禍で航空需要が大きく落ち込む中で、日本航空(JAL)が格安航空会社(LCC)事業を加速させている。JALは2021年6月29日、中国系のLCC、春秋航空日本(SPRING JAPAN)の出資比率を引き上げて子会社化。JALグループが運営に関わるLCCはジェットスター・ジャパン、ZIPAIR(ジップエア)に続いて、これで3社目だ。

テレワークやビデオ会議の普及で、コロナ後もビジネス需要の完全な回復は見込みにくい一方で、観光需要は急速に戻るとみている。この需要をLCCで取り込みたい考えだ。

人口1000万人超の未就航都市「ホワイトスポット」狙う

JALのような従来型の航空会社は「フルサービスキャリア」(FSC)と呼ばれる。ビジネス需要が中心で比較的運賃が高いFSCが伸び悩む分を、レジャー需要が見込めるLCCで補う。

JALは豪カンタス航空と共同出資して設立し、12年7月に運航を始めたジェットスター・ジャパンでLCC事業に参入。コロナ禍で運休中の路線を含めると、国内線17路線、中国や台湾、香港など国際線6路線を運航している。

2社目が完全子会社で中距離の国際線を担うジップエア。貨物便が20年6月、旅客便が同年10月に運航を始めた。現時点では成田からホノルル、ソウル(仁川)、バンコク(スワンナプーム)の3都市を2機体制で結んでおり、24年度までに10機に増やす。アジアや米西海岸にも就航し、低価格帯の需要を掘り起こしたい考えだ。

3社目が春秋航空日本。 14年8月に運航を始め、国内線3路線、国際線7路線を運航している。これまでJALの出資比率は5%程度だったが、6月に51%超に引き上げた。日本との直行便が開設されていない、「ホワイトスポット」と呼ばれる中国の人口1000万人超の都市との路線を開設するなどして、コロナ禍収束後の中国からの訪日客需要を狙う。春秋グループの中国マーケットでの販売力も生かしたい考えだ。

3社とも拠点を成田空港に置くことになるため、成田をハブにした「LCCネットワーク」の形成も目指す。例えば、中国国内から春秋日本で来日した中国人観光客や、日本国内や周辺国からジェットスターに乗ってきた人が成田空港で乗り継ぎ、ジップエアで東南アジアや北米に向かう...といった利用形態だ。

路線整理の可能性は否定

LCCの展開でたびたび指摘されるのが、FSCとLCC、またはLCC同士の競合だ。前者については、JALの豊島滝三・路線事業本部長が

「(LCCは)全くFSCとは違うレベルの価格を提供させていただいている。マーケットが全く違う。JALで上手くいかなかったからZIPに任せようとか、SPRING JAPANに任せようとか、そういうことが、ちょっと成り立たないぐらい、違うマーケットをターゲットにしている」

と反論する。マーケットが違うためすみ分けが可能だとの見方で、FSCで採算が合わない路線をLCCに移管する方向性も否定した。

後者については、春秋航空日本とジェットスター・ジャパンの2社が成田-新千歳路線を運航しており、競合が指摘されている。豊島氏は

「お互いが独立して自分たちの戦略に基づいて路線を引いていくということだが、需要が大きな路線をターゲットにしていくのが基本。結果的に、現時点で成田-新千歳線に問題が起こっているということは全くないし、そこは、逆に言うと、需要が盛り上がっているところ」

などと話し、現時点で路線を整理する可能性を否定した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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