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【独自】「洋紙にペン字」貴重な鴎外の直筆原稿、新潮社社長室の大掃除で見つかる…漱石らの資料も

読売新聞 / 2021年10月15日 7時24分

丁寧な字で書かれた森鴎外「身上話」の冒頭部分。

 森鴎外(1862〜1922年)の小説「身上話」の直筆原稿1枚や、文芸雑誌が行った文章指南のアンケートに、夏目漱石(1867〜1916年)が答えた原稿1枚など、明治・大正の文豪らの資料21点が新潮社で見つかった。中でも鴎外の直筆原稿が見つかるのは珍しく、貴重だという。

 鴎外、漱石に、二葉亭四迷、島崎藤村、有島武郎ら著名な作家・評論家を加えた計18人の原稿や手紙で、すべて縦約30センチ、横約40センチの冊子に貼られていた。藤村の資料が3点あるほかは1人1点で、1点は筆者不明。原稿の場合は、いずれも作品中の1枚のみが収められていた。

 冊子は同社の創業者、佐藤義亮(1878〜1951年)が、つきあいのあった作家たちとの思い出を残すために作ったものとみられ、昨年末、社長室を大掃除していて見つかったという。作品の執筆時期や作家の生年などを考慮せず貼られており、義亮が資料保存のためではなく、個人的な関心から作ったらしい。

 鴎外の「身上話」は海辺の宿に宿泊中の青年と、そこで働く女性との交流をコミカルに描いた短編。友人から聞いた体験談を基に1910年、文芸誌「新潮」に掲載され、後に全集にも収録された。見つかった原稿は、 けい 線のない洋紙に端正なペン字でつづられていた。

 調査した早稲田大名誉教授の中島国彦さんは「洋紙にペンで書くのは、この時期の鴎外の典型的なスタイル。加筆、修正はなく、手控えを見ながらサッと書いたことが分かる。『身上話』は小さい作品だが、この時期の鴎外の直筆原稿はほとんど確認されておらず、貴重だ」と話している。

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