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「専業主婦が夫に家事と育児を求めて、どこが悪いの!」女性の投稿に「夫が可哀そう」と大炎上! 専門家に聞くと...

J-CAST会社ウォッチ / 2021年10月15日 19時45分

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自分ばかり家事と育児でヘトヘトと思う女性(写真はイメージ)

「専業主婦が夫に家事や育児を要求して、どこが悪いの!」

結婚10年目にして初めて授かった女の子の育児に疲れた39歳の女性。管理職の夫に1年間の育休を取るよう頼み、さらに家事や育児の要求もエスカレートぎみだ。

「もっと夫に家事と育児をさせる方法はないでしょうか?」という女性の投稿が大炎上している。「頑張っている夫が気の毒だ」というのだ。

「専業主婦は家事をやって当たり前」が常識なのだろうか? 専門家に聞いた。

「1年育休を取れとお願いしたのに言い訳ばかりです」

話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(10月2日付)に載った「旦那は能力がない。家事・育児は私ばかり...」というタイトルの投稿だ。

「39歳、専業主婦です。結婚10年目にしてようやく子どもが産まれ、5か月の女の子の育児中です。旦那が仕事ばかりであまり家事や育児に参加しません。イライラするので毎日怒りをぶつけているのですが改善ナシ。どうすればもっと家事や育児に関わらせることができるでしょうか」

という悩みの相談だ。

夫は40歳、年収900万円程度。会社では管理職。「1年くらい育休を取れとお願いしたが、なんだかんだと言い訳をつけて取りません」。その代わり週の半分はテレワーク。夫の役割は、ゴミ捨て、夕食の準備、その後片付け、洗濯物を畳んで片付ける、子どものお風呂、朝と寝る前のミルクくらい。

テレワークの時は、終日子どもにミルクをあげ、泣いたらあやし、オムツを替え、仕事の合間に子どもと遊ぶ。洗濯、日用品や食料の買い物、あとは細々としたことくらい。結構がんばって、やっているように思えるが、投稿者は納得していない。

「子どものお風呂も本当は18時までには入れたいのに、会社に行っている日は帰ってくるのが20時以降なので、そこからの入浴。どれだけ言っても改善されません。『誰のおかげで子どもがスクスク育っていると思っているのか。そのミルクやオムツが家にあるのは誰のおかげだ』と怒ったのですが、不貞腐れて反省がありません。世の旦那さんは育休取って、ほとんどの家事・育児をしているのが当たり前なのに、私ばかりが苦労している。そう言っても『悪かったね』と言うだけです」

そして、追加の投稿で、回答者の多くが「専業主婦なのだから、夫に家事や育児を要求するべきではない」という意見を述べたことに対し、こう反論した。

「『専業主婦は家事やって当たり前』とのご意見、今の時代に合わないなあと思いました。今は男が家事や育児をやることは当たり前で、私が専業主婦ということは関係ないと思います。私も旦那が会社に行っている際には、家事と育児に追われ、気づけば夜になっているくらいです。先日も旦那の掃除の仕方が気に入らなかったので、『考えて行動しろ。本当に使えない』というと、ムスッとしていました」

というのだった。

「平均以上に頑張って家事をしている夫が可哀そう」

投稿への回答の中で、圧倒的に多いのは「夫は平均以上に頑張って家事をしているのに、夫が可哀そう」と同情する意見だった。

「私なら家に帰りたくなくなる。初めての子育て、お疲れさまです。申し訳ないですが、これだけの年収を稼ぎ、管理職であるご主人、大変だと思うのですよ。専業主婦ですよね? 共働きでもシングルマザーでもワンオペでやっている方がたくさんいると思いますが、それに比べたら恵まれていると思うのです。『私ばっかり』というのなら、あなたも稼げばよいのです。そのうえでご主人とやっと対等な立場になると思うのです。管理職で仕事をする大変さも理解してあげて欲しいところです」
「私も専業主婦ですし、2歳と0歳を家でみていますが、夫は出張もあるので、一人で見ている日だってありますよ。育休は取らないことはないけれど、取れば収入に響きます。今の生活は維持したいので取ってとはいいません。6時~21時で家にいませんが、帰れた日、休日にできる範囲の育児はしてくれます。家事も言えばしてくれますが、疲れているのがわかるので言いません」
「『誰のおかげで子どもがスクスク育っていると思っているのか。そのミルクやオムツが家にあるのは誰のおかげだ』。そう怒ったそうですが、びっくりですね。それを言いたいのは働いて稼いでいるご主人では?」

世の夫たちがほとんど育休を取っているという「言い分」についても反論が多かった。

「『世の旦那さんは育休取って、ほとんどの家事・育児をしているのが当たり前なのに、うちは私ばかりが苦労している』。あの~、これってどこの情報ですか?共働きならともかく、専業主婦家庭で夫が育休を取ったら、その間の生活費は誰が稼ぐのですか?」
「世の男性の育休取得率は10%台ですよ。それも6週間程度が一番多いそうです。1年も育休取っている人なんてほぼいないのでは。妻から夢の世界を語って無理なことをやれと言われても、謝罪できるご主人は優しいですね」
「確かに男性も育休を取る人が増えていますが、それは妻が働いていることが前提。妻が専業主婦でも育休は取れますが、ご主人の立場で会社が歓迎してくれるとは思えません。40歳で管理職だと確実に出世街道から外れます。年収が900万円だから、あなたは専業主婦でいられますが、収入が半額になってもいいのですか? あなたのいうことが現実的ではないので、御主人はまともに取り合わないのです」

「夫の家事・育児に不満を抱く専業主婦は多い」

ごく少数派だが、「お気持ちわかります」という共感の意見もあった。

「お気持ちとてもわかります。我が家は私が専業主婦で夫は仕事をしておりますが、家事のほぼすべては夫の担当です。子ども躾けるようで大変ですが、常々言い聞かせる、弱みをしっかり握る、時には愛のムチを振るう、とできる限りの教育を施すしかありません。頑張ってください」

しかし、「育児にイラついていることが心配だ」「子育てを夫婦で頑張らずに、シッターを雇うか、実家の両親に来てもらっては」というアドバイスもまた多かった。

「お疲れさまです。子育てを夫婦で抱え込まないで、働いて保育園に預けたり、実家の両親に頼んだり、とにかく人を頼ってください」
「十分な蓄えがあるなら今は外注しましょう。夫が育休を取るより経済的です。今はあなたも辛いでしょうが、夫も限界です。一時的にお金を頼って後から稼ぎ直せばいいのです。または、義両親にお願いして同居していただいてもいいと思います」

今回の「専業主婦は夫に家事や育児を頼んではいけないのか」という投稿をめぐる論争について、J-CASTニュース 会社ウォッチ編集部は、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに聞いた。

――今回の投稿と回答者たちの意見を読み、率直にどのような感想を持ちましたか。

川上敬太郎さん「投稿内容を見る限り夫への不満しか書かれていないので、今の状況だけを切り取ると、投稿者さんは夫への感謝の気持ちを感じられていないのだと思います。投稿者さんは、高ストレス状態に置かれてしまっているように見えます。
決して、専業主婦だからすべての家事をこなさなくてはならないわけではありません。夫と家事を分担することが悪いとは思いません。ただ、夫は家計を回していくのに十分な給与を得るだけの仕事をしっかりとしているようです。そのことへ感謝もなしに、『誰のおかげで子どもがスクスク育っていると思っているのか』と自身の家事や育児に対してだけ感謝を求める姿勢は筋が通らず、一方的な印象を受けます。
その点、回答者の方々の指摘は、常識的で納得できるものが多いように思います。ただ、常識的な考え方がすべてのご夫婦に当てはまるわけではないはずです。投稿者さんご夫婦にとってベストな家事、育児のあり方を模索することが大切なのだと思います」

専業主婦には365日、「仕事」の休みがない

――投稿者本人も強く反発していますが、問題の背景には「専業主婦は家事をやって当たり前。働いている夫に家事や育児を要求するほうがおかしい」という風潮があります。川上さんが研究顧問をされている、働く主婦層を支援する「しゅふJOB総研」で、この問題に関する調査をしたことがありますか。

川上さん「しゅふJOB総研では、毎年夫の家事・育児について妻にアンケート調査を行っています。2020年の結果は、夫の家事・育児に対して『不満』と回答した人が46.4%でした。
『不満』と回答した人の中には、『今は働いていない』専業主婦の方もいました。フリーコメントには、専業主婦の方から夫に対する多くの不満の声が寄せられています。
『自主性はなく、指示を待つことが多い。言わないと何もしない』
『妻からみれば少しやっただけだけど、夫は凄く手伝っている、家事をやってやったぞという感じを醸し出す』
『自分には関係のないことだと思っている。汚したことに気づいても、そのまま無視できるのは誰かがきれいにしてくれると思っているから』
『自分ではやっているつもりでいるから、とても厄介』
『育児に口は出してくるのにまったく手伝わない』
自分は専業主婦だから、と夫への不満を抑え込む人もいると思いますが、夫の家事・育児に不満を感じている専業主婦は投稿者さんだけではありません」
参考リンク:「夫の家事・育児2020:既婚女性はどう評価したか?」(しゅふJOB総研)

――川上さん自身は「専業主婦は家事と育児をやって当たり前。働いている夫に要求するほうがおかしい」という意見についてはどう思いますか。

川上さん「専業主婦であっても、家事や育児の負担度合いはご家庭によってまちまちです。また、家事・育児の得手不得手など個人差もあります。さらに、企業で働く場合は、労働基準法などに決められた最低ラインの休日が取得できます。ところが、専業主婦の『家事・育児の仕事』には365日休みがありません。
働いている夫の大変さやストレスへの配慮が必要なことは当然ですが、休みがない家事・育児にもまた、働くこととは異質の大変さがあります。生まれてすぐは、夜泣きなどで24時間休みがないこともあります。専業主婦だからといって家事・育児をすべて引き受けなければならないはずはありません。まして、投稿者は結婚10年目にして子どもが生まれたばかり。夫と協力し合いながら家事・育児に取り組むこと自体は、まったくおかしなことではないと思います」

――回答者のなかには「夫は管理職という仕事の忙しさにもかかわらず、非常によく家事や育児を頑張っている。それなのに非難されるのは可哀そうだ」という意見が多くあります。また、投稿者が「世間の夫はみんな育休をとっている。なぜ1年間とらないのか」と非難することに対しても、「育休を取る人は少数派だ」「1年間も育休をとったら収入がなくなる」と批判しています。

川上さん「投稿者さんがかなり精神的に追い込まれていることは、間違いないように思います。注射などの痛みへの耐性に個人差があるように、家事・育児の負担度合いの感じ方にも個人差があります。ただ、育休に関しては、回答者の一部にも誤解があります。育休取得中は育児休業給付金(編集部注:さまざまな条件があるが、通常、6か月までは賃金の67%、6か月以降は50%)が支給されるので、育休を取得したらすぐに収入がなくなり生活面で困るわけではありません。
厚生労働省の調査によると、男性の育児休業取得率はまだ12.7%にとどまります。確かにまだ少数派ですが、育休取得のネックは、業務から離れることによって出世街道から外れたり、上司や同僚から理解が得られなかったりと、キャリア形成上のマイナスが想定されることにあるように思います。投稿者の夫の職場が、育休取得によってキャリア上の不利益が発生しないよう配慮できているかどうかは大切なポイントになってくるはずです」

「反論一つしない夫のストレスこそ心配だ」

――一方、投稿者を思いやる意見も少なくありません。育児と家事を夫婦で背負い込まずに、実家に帰ったり、両親に来てもらったり、シッターや家事代行業を頼んだりするべきだというアドバイスもあります。

川上さん「それぞれ参考になるアドバイスだと思いますが、投稿者さん自身は夫の態度そのものに不満を抱いているようなので、根本的な解決になるかどうかは一概に言えないようにも思います」

――川上さんなら、投稿者と夫に対してどうアドバイスしますか。

川上さん「投稿者さんは、夫に対して厳しい見方しかできていないように思います。しかし、吐き出さなければ気持ちがさらに塞いでしまうかもしれません。それは、感情を持つ人間としての性(さが)であり、理詰めで考えても解決できないのではないでしょうか。そこまで自らを追い詰めるまで、投稿者さんは毎日一生懸命頑張っているのだと思います。
そんな投稿者さんの言い分に、反論一つしない夫は、投稿者さんの状態を理解して、敢えて刺激しないように振る舞っているのかもしれません。ただ、その状況は夫にも大きなストレスを与えるはずです。共に暮らす夫の心身の健康も害してしまうようなことにならないかがとても心配です。
もしストレスの高い状態が今後も改善されないようであれば、投稿者さんご夫婦とお子さんの心身の健康を最優先し、生活環境を大きく変えることも含めて、対応を考える必要があるように思います」

(福田和郎)

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