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誤送金4630万「全額返還」されたら...男の罪はどうなる? 弁護士に聞いた「量刑への影響」

J-CASTニュース / 2022年5月23日 20時13分

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阿武町役場(写真:河口信雄/アフロ)

山口県阿武町から誤って4630万円が送金され、全額を振り替えた男(24)が逮捕された電子計算機使用詐欺事件で、男が一部を振り込んだ先の決済代行業者が、3500万円余を町に返還したと報じられ、状況が一変している。

男は、誤送金された全額をネットカジノに使ったと話したとされることから、ネット上では相変わらず男への厳しい意見が多い。業者による返還で、男が起訴されなくなったり減刑になったりする可能性はあるのだろうか。

決済代行業者に130万円前後を計27回振り込む

容疑者の男は、誤送金された全額を決済代行業者に振り込むなどしたとされ、回収するのは困難との見通しも出ていたが、2022年5月23日になって一部返還が報じられた。

振り込んだ3業者のうち1業者が20日、振り込まれた全額を町の口座に振り込んだと、各マスコミが捜査関係者などの話として伝えた。この額は、誤送金の約8割にも当たる。町は、一部返還について、「係争中の事件なのでお答えは控えさせていただきたい」とマスコミ取材にコメントしている。

今回の事件では、男の銀行口座にあった出入金記録の内容も報じられており、それを見ると、男は、様々な方法で出金を繰り返していた。当初は、デビットカードを使って、約68万円を5回決済しており、その後は、今回の決済代行業者に130万円前後を頻繁に振り込んでいた。その数は計27回、金額は約3592万円にも上る。このほか、逮捕容疑になった別の業者への1回400万円、3つ目の業者への1回300万円をそれぞれ振り込んでいた。

男が短期間でお金を増やそうとネットカジノを利用した可能性もあるとされた一方、男がカジノに使ったと装ってお金を隠している可能性も指摘されていた。

今回返還されたのが隠したお金だったかは、はっきりしていない。とはいえ、誤送金の一部が返ってきたことは、刑事事件の行方にも影響を与えるのだろうか。

この点について、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は5月23日、J-CASTニュースの取材に次のような見方を示した。

「現時点では、懲役2年、執行猶予3年の可能性」

「財産犯は、返金や弁償、補填をしたかが量刑上の大きな要素になります。業者が返還したとはいえ、結果的に一部が返っているのは、容疑者にとっていい情状になるでしょう。弁償しないと実刑になりますが、これで執行猶予の可能性が出てきたと思います」

誤送金の約8割が返還されたとされる現時点では、電子計算機使用詐欺の罪で起訴されれば、量刑は、懲役2年、執行猶予3年の可能性があるとした。

若狭氏は、他の2業者からも町に返還される情報も一部で聞いているとし、もしそうなれば、男は、起訴猶予の可能性も出てきたと指摘した。

ただ、誤送金されたお金が業者にプールされていただけなら、カジノで使い切ったとウソをついていたことになる。その場合は、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の罪に問われる恐れがあり、より厳しい量刑になって、懲役3年、執行猶予3年の可能性があるという。

若狭氏によると、業者が犯罪に絡んだお金と知っていながら保管していると、刑法の盗品等保管罪に問われかねない。今回、業者が町に返還した背景に考えられるのは、警察による検挙を恐れたこともあるのではないかとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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