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カンボジア「全ては中国の内政問題」ラオス「二つの中国への意図に反対」…批判しない姿勢で一貫

読売新聞 / 2022年8月6日 11時9分

5日、カンボジアの首都プノンペンで、ARFに出席する外相ら=安田信介撮影

 【プノンペン=安田信介】カンボジアの首都プノンペンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の外相会議では、米中など大国間の対立が先鋭化する中、ASEAN各国が国際情勢にどう向き合うかが改めて焦点となった。対立から距離を置こうとする国がある一方、中国寄りの立場を明確にする国も目立った。

対面3年ぶり

 一連の会議が対面で開かれるのは3年ぶりだ。カンボジアは議長国として、国軍による市民弾圧が続くミャンマー情勢などに対し、足並みをそろえて対応して域内の結束を確かめることを目指した。

 5日に開かれたASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議の冒頭、プラク・ソコン副首相兼外相は「一触即発の事態を回避するため、この会議は貢献できると信じている」と語った。

 会期中にナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、中国が大規模演習を展開するなど地域の不安定さが増す中、ASEANが主催する一連の会議が地域の安定に向けた協議の場となるとの見方を示したものだ。

割れる対応

 台湾問題を巡り、ASEAN各国の対応はわかれた。

 シンガポール外務省は3日の声明で、「地域の平和と繁栄には、安定した米中関係が不可欠だ」と表明。マレーシアのサイフディン・アブドゥッラー外相も「我々は米中両国を重要視しており、双方の友人でいたいと考えている」と述べ、中立的な姿勢で米中双方に自制を求めた。カンボジアの外交アナリスト、リム・ソクビー氏は、「これらの国々は米中双方と貿易など経済的な結びつきが深く、どちらかに肩入れはしたくない。米中のどちらかを選択するような事態を恐れている」と指摘する。

 一方、カンボジアのクン・ポアク外務次官は4日、議長国として行った会見で、「カンボジアの立場としては、台湾や新疆ウイグル自治区、香港などは全て中国の内政問題だ」と述べた。ラオスも外務省報道官の声明で、「『二つの中国』の状況を作り出そうとするあらゆる意図に反対する」と表明した。カンボジアとラオスは中国に経済で大きく依存しており、中国を批判しない姿勢で一貫している。

ミャンマー問題

 ミャンマー問題でも、各国の立場の違いが浮き彫りになった。

 マレーシアの国営ベルナマ通信によると、同国のサイフディン外相は、ミャンマーで7月に民主活動家ら4人の死刑が執行されたことを踏まえ、外相会議の期間中、ASEANが求める暴力停止などに応じない姿勢を続ける場合、ASEAN関連の全会議からミャンマーを追放することを提案した。ただ、ミャンマーから天然ガスを輸入しているタイなどは慎重な姿勢を示したとみられる。

 ASEAN外相会議の共同声明では、ミャンマー国軍への対応について、どの程度強い表現にするかで合意に時間がかかり、最終的に発表するまでに2日かかったという。

中国軍駐留に米が懸念示す…カンボジア基地巡り

 【プノンペン=安田信介、ワシントン=蒔田一彦】カンボジアを訪問中の米国のブリンケン国務長官は4日、首都プノンペンでフン・セン首相と会談した。米国務省の発表によると、ブリンケン氏は、カンボジア南部のリアム海軍基地について、「中国軍の駐留はカンボジアの主権や地域の安定、東南アジア諸国連合(ASEAN)の結束を損なうリスクがある」と懸念を示した。

 リアム基地では現在、中国の資金援助で拡張事業が進められている。ブリンケン氏は基地内での中国軍による活動について、「全面的に透明化する」よう求めた。カンボジア政府は中国軍の駐留や独占的な使用を否定しているが、米国は中国軍が海外展開の拠点として使用する可能性があるとみている。

 一方でブリンケン氏は、今後5年間で2500万ドル(約33億円)の農業支援を行うと表明した。カンボジアの対中接近にくさびを打ち込む狙いがありそうだ。

中国弾道弾発射 駐日米大使批判

 中国軍が台湾周辺海域に計11発の弾道ミサイルを発射したことについて、ラーム・エマニュエル駐日米大使は5日、声明を出し、「無責任で挑発的だ」と批判した。声明では、「日米は断固たる姿勢を取り、足並みをそろえて両国の利益と価値観を守っていく」と強調。ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台を巡っては、「米国の長年の政策を変えることは意図していない。むしろ自由や民主主義、法の支配を推進するためのものだ」と指摘した。

ミャンマー国軍に「失望」…外相会議で共同声明

 【プノンペン=水野哲也】東南アジア諸国連合(ASEAN)は5日、カンボジアの首都プノンペンで3日に開催した外相会議の共同声明を発表した。国軍がクーデターを強行し、抵抗する市民への弾圧を続けるミャンマーに厳しい意見が強まっていることが反映された。

 ミャンマーを巡っては、7月下旬に民主活動家ら4人の死刑が執行されたことに言及し、「長引く政治危機への懸念を表明する」とした。昨年4月の特別首脳会議で合意した暴力停止など5項目について、「国軍が十分に履行していないことに深く失望した」と批判。11月に開催予定のASEAN首脳会議で5項目の履行状況を評価し、「次の段階」に移行するかどうかを判断するとした。国軍が今後も暴力停止に応じなければ、新たな措置をとる姿勢を示したものだ。

 ASEAN加盟国の一部が中国と領有権を争う南シナ海の問題では、中国の船舶による活動などを念頭に、「複数の外相から、そうした活動が緊張を高め、地域の平和や安全を損なう恐れがあるとの懸念が示された」と表明した。

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