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「風呂なし物件が若者に人気」最近よく聞くが カギは若年層の「お金の使い方」

J-CASTニュース / 2024年2月28日 12時6分

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「神田川」の世界、再び!?

ここ数年、年度末近くなるとこんな報道を見かける。「風呂なし物件が若者に人気」とする、不動産関連の話題だ。

入居者へのインタビューがメインの内容が多い。風呂なし物件である以上、銭湯の利用を前提として入居しており、家賃が安い、意外に住みやすいといったメリットを紹介し、「風呂なし物件ブーム」が来ているとも。果たして、本当に風呂なし物件のニーズは高まっているのか。

「15平方メートル未満の物件」ニーズ増

J-CASTニュースBiz編集部は、賃貸物件を扱う大手数社に質問を送付した。唯一、「CHINTAI」(東京・港)の広報室から具体的な答えが寄せられた。

同社には、「風呂なし物件」というカテゴリーのデータはないが、「15平方メートル未満の物件に対する問い合わせ数を比較したデータ」は存在する。その理由は、シャワーの設置はあり得るが、風呂なし物件であることが多いためという。

それによると、2020年2月~21年1月までの15平方メートル未満の物件への問い合わせ数は、3.6%。これに対し、2023年2月~24年1月は4.3%と、若干ながら上昇した。同広報室は、風呂なし物件に注目が集まっている可能性は否定できないのではないかと語った。

スマホやサブスクに出費

続いて、経営コンサルタントの鈴木貴博氏に取材した。近年の風呂なし物件への人気は、「社会に貧困が広がった結果と考えられるが、状況は複雑である」と指摘する。

「現在の30代と、就職氷河期前である40年前の30代の年収を比較した場合、後者は『年収500万円』というものがイメージできる時代でした。現在は『年収300万円』がうらやましいと感じられる経済状況。しかし、そのような状況下でも、若年層は意外と生活を楽しんでいるとも言えます」

この点について、現在の20~30代の消費傾向を見ると、スマートフォンとサブスクへの支出をそれほどためらっていないと語る。つまり、この年齢層ならではの「ぜいたく」に、惜しみなくお金を出していると言えるというのだ。

「一方で、生活費の中で圧倒的に高い家賃に対して、財布のひもは固い。このような感覚があるため、『風呂なし物件で家賃を削り、スマホやサブスクにお金を使う』という優先順位になっているのではないでしょうか」

(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)

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