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「吉野家の牛丼並盛」10年前280円、今は468円 物価高で「1杯1000円」になる可能性

J-CASTニュース / 2024年3月3日 12時0分

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吉野家といえば「早い、うまい、安い」(編集部、2024年3月に撮影)

牛丼チェーンの吉野家、松屋、すき家が低価格競争を起こしたのが、今から10年ほど前の2013年。牛丼は並盛で280円(税込、以下同)だった。

そして、今。牛丼・牛めしの並盛価格は高騰した。吉野家が468円(店内)、松屋とすき家は400円だ。吉野家が他店より10%ほど高くなっている。なお米国では、「YOSHINOYA」で牛丼並盛「ビーフボウル レギュラー」を注文すると、約1200円と驚きの値段になる。日本でも牛丼並盛が1000円越えする可能性について、識者を取材した。

デフレの2001年に400円→280円

吉野家における牛丼並盛の値段の推移を調べると、以下のようになった。

・吉野家における牛丼並盛の値段1(すべて税込み)
1999年:400円
2001年:280円(一部地域)
2004年:販売中止 ※BSE問題のため
2006年9月:380円
2009年12月:380円
2013年1月:280円
2014年4月:300円 ※消費税増税

比較的、物価が落ち着いていた1999年までは、400円程度で販売されていた。それが大きく変わったのが2001年だ。政府が「持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレにある」とデフレ宣言を発出。牛丼大手は相次いで値下げに走り、270円~290円程度まで価格が下がった。

2013年にも、吉野家、松屋、すき家が牛丼並盛を280円、キャンペーンでは250円と安値で提供した。こうした低価格路線は1年以上続いた。だが原材料費高騰などで各社は減益となり、吉野家では2014年4月に価格を300円に上げた。

特盛+生卵+味噌汁おしんこセット=1111円

続いて、2014年から2023年までの価格推移を調べてみた。

・吉野家における牛丼並盛の値段2(すべて税込み)
2014年12月:380円 ※仕入れ値の高騰
2019年10月:387円(店内)※軽減税率の適用
2021年10月:426円(店内)
2022年10月:448円(店内)
2023年9月:468円(店内)

2014年12月、吉野家は80円の再値上げを実施した。当時の報道によると、世界的な需要増による米国産牛肉の値上げが理由だった。
2019年には消費増税があり、軽減税率によって店内飲食の牛丼並盛は387円になった。以後、徐々に値上がりが続き、現在では牛丼並盛468円だ。

今日、吉野家で「プチぜいたく」すると、1000円を超える。牛丼特盛と生卵と味噌汁おしんこセットを注文すると、クーポン券などを使わない場合には1111円だ。定食メニューを見ると、W定食(牛皿・鉄板牛焼肉定食)は908円、期間限定の牛すき鍋膳は787円と、単品で1000円の壁に迫っている。

円安、為替動向を見ていると...

フードアナリストの重盛高雄氏に、「牛丼1000円越え」の見込みを聞いた。すると、

「円安や為替の傾向を見ていると、ここ2年ほどで牛丼並盛が1000円を超える可能性は十分考えられる」

重盛氏の考える要因の1つ目は、為替だ。現在牛丼チェーンの原材料は米国牛やオーストラリア牛などの海外に頼っている。「値動きを見ていると、このまま安い仕入れを維持することはかなり難しい」と分析した。

2つ目は、最低賃金の上昇、人件費だ。生産年齢人口が減っていく日本において、牛丼チェーンは最低賃金よりは高いものの、多業種の軽作業などと競合して人材の奪い合いが起きている。「今の営業時間を維持するためには、人件費の上昇は避けられない」と話す。こうした要因から商品価格への転嫁が起きれば、大幅な値上げにつながる恐れはあるだろう。

一方、牛丼が1000円を超えたら「顧客が許容できるかが問題」と、重盛氏は指摘した。「並盛1000円では納得できる人は少ない、どうやって付加価値をつけていくかが問題になってきます」。

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