「9浪はまい」の浪人生活は終わっていなかった 濱井正吾さんが語る大学院進学の夢【インタビュー後編】
J-CASTニュース / 2024年3月22日 19時37分
9浪の末に早稲田大学に入学した濱井正吾さん
「9浪はまい」こと、教育系ライターの濱井正吾さんは1990年11月11日生まれ。2018年4月、27歳にして早稲田大学教育学部国分学科に入学し、無事4年で卒業した。高校卒業から9年を経ての入学は、その歳月の長さが示す通り紆余曲折の連続だったという。そして今、大学院進学を目指し「新たな浪人生活」に入っている。
(聞き手・構成/J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)
つらい浪人生活、見いだせた「成長している」という楽しみ
――今回インタビューするにあたって、他メディアに掲載された濱井さんの記事を見て経歴を確認したのですが......早大に入学する前に別の大学に現役で入学し、留年なしで卒業なさっていたんですね。
濱井正吾さん そうなんです。
――つまり、早大に入学するまで、現役から9年遅れているから9浪と......。では実際に、「第1志望」早稲田大学を目指して純粋に浪人していた期間はどれぐらいでしょうか。
濱井さん 高校3年生の時から早稲田への憧れはありましたが、残念ながら学力が早稲田を受けるレベルにこれっぽっちも引っかかっていなかったので、受験しませんでした。6浪目、7浪目にはセンター試験を受けたのですが、そこでも半分すら取れなかったのでまだ全く「足りていない」と感じ、やはり受けませんでした。実際に受けたのは8浪目と9浪目でした。
8浪目は教育学部に加え、社会科学部、商学部、文学部。9浪目は教育学部、文学部、文化構想学部、スポーツ科学部、人間科学部を受けました。
――浪人時代につらかったこと、何でしょうか。
濱井さん 模擬試験の結果を見て、「学力が志望校に足りている」という実感が湧くまでは、とにかくつらかったです。それを確信できたのは9浪目で、モチベーションがさらに高まりました。この辺りから、つらい浪人生活の中に「自分が成長している」という楽しみを見いだせるようになりました。
東大の大学院を目指す
――2022年の早大卒業以降は、教育系のライターとしてご活躍中ですね。
濱井さん ええ。ただ、同時に今、やはり「浪人生」なんです! 大学院への入学を目指しています。
――そう来ましたか......もはや、「職業浪人」ですね!
濱井さん (笑)目指しているのは、東京大学の大学院です。初めて受けたのが2023年9月で、不合格でした。筆記試験は通ったものの、面接で落ちました。
――受けたのは東大の大学院だけですか?
濱井さん はい。大学入試と大きく違うのは、入試の際に「研究計画書」を提出する必要があることです。
――なるほど。大学入試は合格最低点以上の点数を取ればよいですが、大学院は研究の場ですから、まず筆記試験をパスし、かつ、「入ってから何がしたいか」がきちんと固まっていないと合格できないと。
濱井さん そうです。ただ、大学院へ入学するための勉強を本格的に始められたのが4月で、研究計画書の提出締め切りの7月まで3か月しかなく、突貫工事だったのが災いし、作り込みが浅かったのが不合格の原因でしょう。
2024年は東大以外に早稲田の大学院も受ける予定です。もしかしたら一橋大学の大学院も受けるかもしれません。
「大学院は何浪まで予定?」答えは...
――大学院に入ったら何を研究する予定ですか。
濱井さん 大学での専攻は国文学でしたが、大学院では教育社会学を研究したいと思っています。研究のテーマは大学進学率の高低といった「教育格差」にしたいと考えています。具体的には「地域の中の細かい格差」を研究していきたいです。先行研究をされているかたは、すでにいらっしゃるので、自分としてはいかに独自色を出していくか、研究計画書に落とし込まなければなりません。
――すると......大学院は何浪まで予定していますか。
濱井さん 入学する、あるいはあきらめる、どちらかの形で2浪までに終わらせられれば良いですかね......。そこまでやってダメなら、大学院入試には大学入試を突破するために培った力だけではなく、何か別の要素が必要なのかもしれません。となると、自分としてはいったん大学院入試を中断して、足りない要素は何かを立ち止まって考える必要があると思うからです。2浪してもダメなら、大学浪人の時と同じことをしていてもダメだということでしょうからね。
【プロフィール】
濱井正吾(はまい・しょうご)
自称浪人専門家。1990年11月11日生まれ。兵庫県出身。高校卒業後9浪を経て2018年に早稲田大学教育学部国語国文学科入学。2022年に卒業。現在は教育系ライターとして活動する傍ら、大学院浪人として入学を目指す。
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