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「実家から通えて経済的に楽だから」 地元就職希望がじわり増える...背景に若者の不安?

J-CASTニュース / 2024年5月18日 12時0分

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地元就職希望がじわり増える

2025年卒の学生を対象とした調査で「地元就職希望」と答えた人が62.3%を占めた。地元(Uターン含む)就職希望者は2017年卒の65.0%から減少を続け、2021年卒では54.9%まで落ち込んでいた。

それが近年はこの傾向が反転し、2023年卒から3年連続で62.6%に。逆に大手志向の割合は2021年卒の55.1%をピークに、2023年卒は48.5%、2024年卒は48.9%と半数を割り込んでいた。2025年卒は53.7%まで回復している。

「家賃などを抑えたい。老後に向けてお金を貯めたい」

マイナビが2024年5月9日に発表したこの調査結果は、全国の大学生、大学院生3017人を対象としたもの。内訳は、文系男子573名、文系女子1270名、理系男子596名、理系女子578名で、文系女子の割合が高い。

地元就職を希望する理由は「両親や祖父母の近くで生活したいから」(47.2%)が最も多く、「実家から通えて経済的に楽だから」(37.5%)、「地元(Uターン先)での生活に慣れているから」(36.5%)が続いている。

自由回答には「就職後に実家でお金を貯めて経済的余裕を作れるから」「実家から通って家賃や光熱費・食品、引越し費用や家具代を抑えたい。老後に向けてお金を貯めたい」といった実家生活のメリットをあげる人がいた。

また、「将来結婚し子育てをするなら、何かあったときに実家と行き来できる距離で生活したい」といった実家近辺に生活するメリットをあげる人もいる。

調査元では「コロナ禍以降、就職活動の厳しさや経済状況への懸念から、地元を離れて都市部で独り立ちすることへの不安が増し、地元就職意向が高まった」と分析している。

この調査結果が公表される少し前、Xでは「田舎の謎」に関するポストが注目を浴び、4.9万ものいいねを獲得していた。

「田舎のヤンキーって学歴ないはずだからあまりいい会社に就職してないはずなのに結婚して子供作って家建てていい車に乗って毎日楽しいそうにしてるの何でですかね?/これは田舎の謎の1つでもあります。」

「親の広大な敷地」がある地元なら住宅ローンも少なくて済む

このポストには、こんなリプライがつき、2000以上のいいねがついている。

「案外地方に大企業の系列工場あるんだよね/そこへ勤めて家は親の広大な敷地に上物だけ建てるからローンは少なくて済む/家族で働き子供は祖父母が面倒見る/休日はイオンにミニバンでお出かけ/年金支給日は祖父母(財布)を連れて回転寿司に繰り出す/港区で見栄の張り合いするより楽しそう」

さらにこのリプにも「家の者の1人でも/公務員になれば/とりあえず/安泰よ」といった反応が見られた。仕事も企業への就職だけでないとして「土木や漁師や農家なども都心の人がびっくりしてしまうような稼ぎの人結構います」と指摘する人もいた。

人間は古来、土地や家などの不動産だけでなく、祖父母や親戚、友人知人などを含む「共同体」の支援を受けながら生きてきたはずだ。それが戦後の個人主義や核家族化によって「開放」されたことで自由を得た一方、不自由さも負ってきたのかもしれない。

調査結果について、千葉県中西部の都市にUターン就職し、地元で結婚して2人の子どもを育てる30代後半の女性に聞くと「いまさら家制度には戻れませんけど」としつつ「個人にとって譲れないことも意外と変化しますから、それをどこまで先読みできるかじゃないでしょうか」とコメントした。

「若いころはアートやカルチャーなどの刺激がない地方に耐えられなくて、大卒で東京の会社に勤めたけど、自分で稼ぐようになってからはそういうものの優先順位が下がりました。なにより私には結婚して子どもを産むこと以上に優先したいことはなかったので、そういう刺激がなくてもいまは平気だし、そうなると夫の親族もいる地元に引っ越すメリットは多いんです。子育てが一段落したら、またそういう世界に触れたくなることもあるのかもしれないですけどね」

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