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松井稼頭央監督「休養」の西武、チーム低迷はFA流出のせいか? 元コーチが指摘...課題山積の「選手育成」問題

J-CASTニュース / 2024年5月27日 16時49分

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ベルーナドーム

プロ野球の西武は2024年5月26日、松井稼頭央監督(48)が26日に行われたオリックス戦を最後に休養に入ることを発表した。渡辺久信GM(58)が兼任で監督代行を務め、セ・パ交流戦の開幕戦となる28日の中日戦からチームの指揮を執る。

松井監督就任2年目の今シーズンは26日時点で15勝30敗、勝率.333でリーグ最下位に沈んでいる。チーム防御率3.29はリーグ5位、チーム打率.214はリーグワーストだ。スポーツ紙の報道によると、チームの低迷を理由とした事実上の解任だという。

「野手の自前の上積みはここ数年ないだろうと...」

セ・パ交流戦を直前に控え監督が休養に入る事態となった西武。今シーズンの低迷の要因はどこにあるのか。浮上する目はあるのか。J-CASTニュースは、西武の元コーチでオイシックス新潟アルビレックスBCの監督を務める橋上秀樹氏(58)に話を聞いた。

16年から18年まで西武でコーチを務めた橋上氏は、「今シーズン西武が低迷しているポイントはいくつかあります」と切り出し、要因に言及した。

「まずひとつは攻撃陣の低迷です。これは、編成はもちろんですけども、育成がうまくできていなかった。松井監督が(19年から3年間つとめた)2軍監督のころから、2軍から新しい選手が出てくるということが減っていた。FA(フリーエージェント)で選手が出ていくというのは、ずっとここ何年も続いてきたことだが、以前であれば次に代わる選手が自前で出ていたことで多少補えていた。それがここ数年は育成ができていない」

橋上氏が指揮するオイシックス新潟アルビレックスBCは今シーズンからイースタンリーグに参戦しており、西武の2軍と試合をする機会がある。すでに数試合しており、橋上氏はその時の印象をこう語った。

「今私たちのチームが西武のファームと戦っていますが、今後1軍で主力として活躍していくような可能性のある選手が少ない。特に野手に関しては楽しみな選手が少ないです。このままでいくと、野手の自前の上積みはここ数年ないだろうと感じます」

「構成を先発ピッチャー中心にしすぎたところがある」

チーム低迷のもうひとつの要因として、外国人選手の不調を挙げた。

今シーズンから加入したヘスス・アギラー内野手(33)、フランチー・コルデロ外野手(29)の両選手がここまで調子が上がらず低迷している。

アギラーは30試合に出場し打率.204、2本塁打、10打点。コルデロは14試合の出場にとどまり、打率.176、1本塁打、3打点と苦しんでいる。

橋上氏は「まずは外国人選手ともう一度話をして、モチベーションを上げさせることをやるべき」とし、以下のように指摘した。

「せっかく獲得した外国人選手ですし、まだ底が見えているわけでもない。モチベーションの低下が成績低下のひとつの要因になっていると思います。そこに手を加えるべき。打線が低調だと分かっていた上での外国人選手の補強ですから、もう一度、モチベーション的なものを含めていろいろとケアをしてあげながらやるしかない」

さらに投手陣に言及。「明らかに先発陣とブルペン陣の力の差がある」とし、次のように持論を展開した。

「ピッチャーでいえば、構成を先発ピッチャー中心にしすぎたところがある。先発完投ができるピッチャーばかりいればよいが、現状100球、7回で交代となる。点を与えないピッチャーと、点を取れない打線なので、どうしても僅差で終盤まで行く。リリーフピッチャーが先発よりも力が劣るので、競り負けてしまう。延長戦で連敗しているのはそういうこと。ピッチャーの編成を今一度、見直したほうがいい。たしかに先発ピッチャーは大事だが、今の野球は7回以降のピッチャーが非常に大事になってくる」

「西武は交流戦でそれほど勝ち星が伸びるとは思えません」

勝率3割台の西武はこのままのペースでいけば、シーズン100敗の可能性もある。楽天コーチ時代の05年に、シーズン38勝97敗1分を経験した橋上氏は、当時を次のように振り返り西武の今後に言及した。

「楽天の初年度(05年)は100敗するだろうと覚悟はしていました。ただ、当時はセ・パの力の差があり、交流戦の試合数も多かったので、交流戦で勝ち星を稼ぐことができました。それが100敗を免れた大きな要因だったと思います。交流戦が現在のように少なかったら100敗を喫していたかもしれません。最近はセ・パの差がなくなってきているので、西武は交流戦でそれほど勝ち星が伸びるとは思えません」

そして、西武の今後の課題についてこう指摘した。

「私が西武でコーチをしていた時代から、野手でいえば山川(穂高)選手、浅村(栄斗)選手、森(友哉)選手、秋山(翔吾)選手ら主力選手が半分くらい抜けてしまったが、西武は今までもそういう歴史を繰り返してきた。その中で新しい選手が出てくるという強みがあった。それが今では見られなくなった。フロントを含めた育成を見直さなければならないと思います」

チームは渡辺監督代行のもと28日からアウエーで中日3連戦、31日からホームで巨人を迎える。交流戦は6月16日まで計18試合が行われる。

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