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スマホで会員登録→「スタート」押したら、悪質海外広告の罠 新手の詐欺の急増に「なじみのサイトでも、すべて疑え」

J-CASTニュース / 2024年6月3日 18時58分

スマホで会員登録→「スタート」押したら、悪質海外広告の罠 新手の詐欺の急増に「なじみのサイトでも、すべて疑え」

海外からの悪質広告に注意(写真はイメージ)

スマホで映画館の会員登録をしようと、「スタート」ボタンをクリックしたら、意図せず海外事業者とサブスク契約、クレジットカードからお金が引き出されていた――。

こんな新手口の詐欺が急増しているため、国民生活センターは2024年5月29日、「その『スタート』ボタン、実は海外事業者の広告かも!」と警鐘を鳴らす報告書を発表した。

どんな手口なのか。防ぐ方法はなにか。調査担当者に聞いた。

「解約しないと料金発生」と脅しながら、連絡先の記載ナシ

国民生活センターには、海外事業者との消費者トラブルの相談を専門に扱う越境消費者センター(CCJ)がある。そこに、2024年4月中に寄せられた約600件のうち約4割(約240件)が、これまでなかった新手の同じ手口だったため、急きょ注意喚起の報告を発表した。

代表的な事例はこうだ。

【事例1】

子どもからオンラインストレージサービス(インターネット上で、写真などを保存・共有するサービス)で写真を送ってほしいと言われ、サイトを開いた。手続を進めるため、表示された「スタートボタン」をクリック、利用登録のためにクレジットカード情報などを入力した。

その後、このサイトと異なる海外サイトを運営していると思われる事業者から登録完了メールが届き、入力先を間違えたことに気付いた。メールには、申込みから5日以内に解約手続をしないと料金が発生すると記載されているが、連絡先などの記載がなく、解約手続ができない。

クレジットカードは利用停止にしたが、サイトの解約方法を知りたい。(2024年4月・50歳代女性)

【事例2】

映画館の会員カードを更新するため、映画館のサイトに入ると、「スタート」ボタンが出てきたのでクリックした。遷移した画面にメールアドレスとクレジットカード情報を入力すると、「5日間の無料期間後、月額約7500円かかる」と表示された。映画館とは別のサイトに登録してしまったようだ。

海外事業者と思われるサイトのログイン画面が表示されたが、ログインもできず、事業者のメールアドレス等の連絡先もわからない。クレジットカード会社に連絡し、クレジットカードの停止と再発行の手続をしたが、そのほかにすべきことはあるか。(2024年2月・40歳代女性)

このように、間違って広告の「スタート」ボタンをクリックして気づかないケースが多い。なぜなら、有料のサブスク契約である旨を示す文章の文字が非常に小さかったり、記載画面も下方にスクロールしないと見えなかったりするからだ。事業者が「最終確認画面」を設けていない可能性もある。

国民生活センターでは、サイトのすぐ下に「怪しい広告」があり、紛らわしい「スタート」ボタンをクリックしないよう注意するイラストを公開した【図表】。「スタート」ボタンの上に、「広告」であることを示す「×」印があるが、非常に小さく、なかなか気づきにくい。

返金に応じるなど、一見良心的だが、裏に強かな計算

J‐CASTニュースBiz編集部は、国民生活センター相談情報部の担当者に話を聞いた。

――最近、相談が出始めたという新手の詐欺とのことですが、実際の被害金額はどのくらいになるのでしょうか。

担当者 まだ、実態を把握できていない面があります。海外事業者に登録してしまったことに気づかず、クレジットカードの明細を見て、身に覚えがない請求があって、お金を引き出されたことが分かる人が多いです。

その一方で、登録完了メールが届いて間違ったことに気づき、返金を要求したら戻ってくるケースも少なからずあります。また、トライアル期間中は料金が発生しないのですが、トライアル期間を過ぎても料金を請求されないケースもあり、いろいろです。

――何でもかんでも、個人情報をつかんだクレジットカード口座からお金をむしりとるわけではないのですか。意外に良心的な面をあるのですね。

担当者 一見、良心的に見えますが、あくまでこの手口を続けていこうという意図からきていると思われます。強欲一辺倒で押して、消費者がクレジットカード口座を閉じたり、IDを変えたりすれば、元も子もなくなるというしたたかな計算が働いているとみられます。

――なるほど。ところで、広告であることを示す「×」印が非常に小さいのは、詐欺の常套手段でしょうか。

担当者 実は広告を出稿している側が、わざと小さくしているわけではありません。また、サイト自身が小さくしているわけでもなく、インターネット広告界の問題と思われます。

今後の対策のために、インターネット広告の実務を行なっている社団法人日本インタラクティブ協会に情報提供を行なっています。

まずは「広告ではないか」と疑って確認する

――登録完了メールが来ないケースや、最終確認画面がないケースもあるとなると、間違ったサイトに登録したまま、気づかない人がかなりいるわけですね。被害を防ぐ大事なポイントはなんでしょうか。

担当者 やはり、まずは「広告ではないか」と疑って確認することが重要です。そのポイントは「×」があるか、それから「スタート」ボタンを押して画面が切り替わった時、上のURLをチェックしてください。

元のサイトと同じかどうか、不審に思ったら、「戻る」をクリックして元のサイトの上のURLと比較しましょう。特に、普段使っているサイトだと、頭から信じ込んでしまう場合が多いですから、いつも注意しましょう。

――ほかには何が大事ですか。

担当者 クレジット会社からのメールはためないで、身に覚えのないお金の引き出しがないか、小まめに請求をチェックしてください。よく、迷惑メールの中に重要な情報が紛れ込んでいます。削除する前に必ずチェックしましょう。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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