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ブドウ「摘粒」、AIが支援…作業の負担軽減へ山梨大がアプリ開発

読売新聞 / 2024年6月15日 15時52分

ブドウの房を撮影すると、画面右上に粒数が表示される(5月31日、甲府市で)

 山梨大学は、ブドウの成長段階で粒を間引く「 摘粒 てきりゅう」作業の支援に人工知能(AI)を導入し、房に実った粒数を自動で推定するアプリ「 粒羅 つぶら」を開発した。

 テスト版の運用を5月30日から始め、無料配布している。専用ページ=QRコード=で利用登録すると、無料でアプリをダウンロードできる。運用開始直後から話題を呼び、7日現在で約2400件の利用登録があった。

 今回開発したアプリでは、ブドウをスマートフォンで撮影すると、画面の右上に房全体の粒数をすぐに推定して表示し、音声でも知らせてくれる。ベテラン農家にとっても粒の数え間違えは生じやすく、負担の大きな作業だった。

 摘粒はブドウ全体の見た目や味の質を高めるために必要な作業。残す粒数の目安は、ブドウの品種ごとに決められているので、アプリが割り出した房の粒数を参考にすれば、摘粒作業がこれまでよりも楽に行える。

 同大は2019年から研究を始め、まず眼鏡型情報端末「スマートグラス」のカメラで撮影した写真から、粒数を推定する技術の特許を取得した。ただ、スマートグラスは高価で通信環境も必要なことから、撮影するだけで判定できるアプリを開発することにした。

 アプリの配布先としては、全国のブドウ生産者を対象としている。青森や長野県からの登録もあったが、利用者の多くは県内の農家だという。

 1年程度運用し、アンケートを実施して、利用者から意見を募る。来春には大学発のスタートアップ(新興企業)を設立し、商品化を目指している。

 研究グループを率いる同大の茅暁陽理事は「農家の高齢化が進む中、作業の効率化につながってほしいと研究してきた。テスト版を運用し、さらに精度を高めていきたい」と語った。

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