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ガザ新停戦案、ハマスが仲介国に回答…侵攻停止とイスラエル軍撤退を改めて要求か

読売新聞 / 2024年6月12日 10時11分

ガザ地区で活動するイスラエル軍(10日)=ロイター

 イスラム主義組織ハマスは11日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡る新停戦案への回答を、交渉の仲介国エジプトとカタールに送付したと明らかにした。ガザ侵攻の完全停止とイスラエル軍のガザからの撤退を改めて求めたという。ロイター通信によると、イスラエルの当局者はハマスが回答で「人質解放に向けた提案を拒否した」などと批判しており、交渉は難航が必至だ。

 ハマスは11日、連携している武装組織イスラム聖戦と共同で出した声明で「回答はパレスチナ人の利益を優先している」と主張し「戦争を終結させる合意実現に向け、前向きに取り組む意欲がある」と強調した。

 エジプトとカタールも11日、回答を受け取ったと発表した。声明では「仲介国は回答を精査し、米国とともに合意実現まで仲介努力を続ける」としている。

 ロイター通信が伝えた交渉当局者の話によると、回答には、恒久停戦とイスラエル軍のガザ撤退に向けた新たなスケジュール案も含まれているという。

 新停戦案は、バイデン米大統領が5月31日にイスラエルの提案と銘打って明らかにしたもので、〈1〉6週間の完全な停戦〈2〉全人質の解放と恒久的な敵対行為の停止〈3〉ガザ再建――の3段階構成となっている。

 新停戦案を巡っては、先進7か国(G7)が首脳声明で全面支持を表明し、国連安全保障理事会も10日、支持する決議を採択した。

 だが、イスラエルはハマス壊滅を目指す姿勢を崩していない。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は6月初め、新停戦案に関し「合意に達する可能性は非常に低いと考えている」と述べていた。

 米国のジョン・カービー大統領補佐官は11日、記者団に対し「我々は、ハマスがエジプトとカタールに送付した回答を受け取り、評価をしているところだ」と述べた。【カイロ=田尾茂樹】

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