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静岡県知事、リニアの山梨県側ボーリング調査で「流出した水の所有権を主張しない」、

読売新聞 / 2024年6月19日 16時48分

3者合意について説明する鈴木知事(18日、静岡県庁で)

 リニア中央新幹線の建設を巡り、静岡県が認めてこなかった山梨県境のボーリング調査と掘削工事について、静岡県の鈴木知事が18日、実施を容認する方針を示した。静岡、山梨両県とJR東海の3者間で合意。静岡県の川勝平太前知事は地下水の流出を懸念し、県境から山梨側の約300メートルでの調査停止を求めてきたが、鈴木知事は「掘削を進めることに基本的に課題はない」との考えを示した。

 リニアの県境付近の工事を巡っては、前知事時代の昨年5月、県がJR東海に宛てた文書で「県境から山梨県側へ約300メートルまでをボーリングしないことを要請する」などと求め、山梨県の長崎幸太郎知事が不快感を示して反発した経緯がある。今回、「静岡は流出した水の所有権を主張せず、返還を求めない」との前提条件を付けることで、3者間の合意が成立した。

 鈴木知事は今月、長崎氏と東京都内で面会し、県境付近の工事の実施に向けて連携することを確認していた。

 県は県境付近の工事で流出する可能性がある水の回復措置について事前合意を求めており、合意内容では、ボーリング調査や掘削工事と並行して流出水量の推定作業を進め、大井川の水量が変化した場合の回復措置は必要との認識を確認した。水量の推定は、JR東海と県が協力して行い、回復措置の内容は今後調整していくという。

 JR東海によると、ボーリング調査は今月7日時点で339メートルの地点まで進んでいる。鈴木知事は「静岡が抱いていた懸念が解消できた」としたうえで、県境を越える調査については「県境に達するまでに大井川利水関係協議会の意向も確認して判断をする」と述べるにとどめた。

盛り土の安全性、静岡市「問題ない」

 リニア中央新幹線の建設を巡り、静岡市は18日、環境への影響を検討する有識者会議を開いた。葵区の 燕沢 つばくろさわ地区に計画されるトンネル工事の発生土置き場の盛り土について、市は複数項目で「問題ない」との評価案を示した。議論はおおむね終了し、難波喬司市長は「ほぼ最終確認できる方向でまとまった」と述べた。

 会議では、発生土置き場からの排水による水質への影響や土石流発生時の盛り土の安定性について、市がJR東海の盛り土強化策や排水設備設計を「全体として問題ない」とする評価案を提示した。

 大規模な深層崩壊が発生した場合の対応について、難波市長は「行政、JR東海、ダム管理者らが総力を挙げて行うべきだ」と述べた。

 地震に対する盛り土の安定性については今後、詳細な解析を進めるなどし、最終確認をしていく方針だ。

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