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エヌビディア、チャットGPT追い風に株式時価でMS・アップルを一気に抜く…米紙は「バブル」指摘

読売新聞 / 2024年6月20日 9時45分

 米半導体大手エヌビディアの株式の時価総額が約3兆3400億ドル(約530兆円)となり、初の世界首位となった。生成AI(人工知能)ブームを追い風に、マイクロソフト(MS)やアップルを一気に抜き去った。その勢いが止まる気配はないが、かつての「ITバブル」との類似性を指摘する声も出ている。(ニューヨーク支局 小林泰裕)

最大の勝者

 「エヌビディアはAIブームの最大の勝者だ」

 米ブルームバーグ通信は18日、エヌビディアの躍進ぶりをこう表現した。

 2022年11月に米オープンAIが生成AI「チャットGPT」を公開して以降、エヌビディアの株価は約8倍となり、同期間のMS(1・7倍)やアップル(1・4倍)を大きく上回る。時価総額も急拡大し、23年5月に1兆ドル、24年2月に2兆ドル、今月5日には3兆ドルを突破した。

 成長の原動力は、生成AIの開発やデータ処理に使われる先端半導体だ。エヌビディアの世界シェア(占有率)は約8割に上るとみられる。現在のエヌビディアの売上高はアップルの3分の1以下で、最終利益も6割にすぎないが、売上高や利益は急伸を続けており、高成長への期待が株価を押し上げている。

開発に特化

 エヌビディアは1993年に台湾系米国人のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)らが設立し、米西部カリフォルニア州シリコンバレーに本社を置く。自社工場を持たず、高性能の半導体の開発に特化したことで他の追随を許さない技術力を実現した。製造は台湾積体電路製造(TSMC)に委託している。

 ゲーム向けの画像処理に使われる半導体の開発で知られていたが、大量の演算を同時に処理できる特徴がAIのデータ処理に適していたことで、一気に注目を集めるようになった。

 時価総額世界トップの座は近年、MSやアップルなど「GAFAM」と呼ばれる巨大IT企業の定位置だった。IT分野に詳しいアナリストのダン・アイブス氏は18日、「今後、MSとアップルと3社で時価総額4兆ドルを目指す争いが繰り広げられるだろう」とSNSに投稿した。

懸念の声

 急拡大を懸念する声も出ている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは18日、「エヌビディアはドットコム・バブルを 彷彿 ほうふつとさせる」と指摘した。ドットコム・バブルはITバブルとも呼ばれる。1990年代後半から2000年にかけて、IT企業の株価が実力以上に評価され、その後の株価の急落を招いた。投資家がインターネットという新しい技術に熱狂した姿は、現在のAIブームと重なる部分もある。

 エヌビディアが半導体を販売する際に、取引先に対して優越的地位の乱用がなかったか米競争当局が調査に乗り出したと報じられており、規制当局の監視の目が強まる可能性もある。

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