陛下の英語力、交際の輪の広がりに応じて上達…英国外務省「シャイだが楽しい若者」
読売新聞 / 2024年6月20日 5時0分
[令和の天皇 日英の絆]<中>
天皇陛下は1983年に英国に留学した当初、英語のコミュニケーションに苦労された。オックスフォード大学の元教授は、学内での会話に戸惑われる姿を遠巻きに見ていた。
しばらくして2度目に見かけた陛下は、見違えていたという。その場の全員が楽しめるように話題を提供し、周囲を気遣われていた。「日本の皇位を継ぐ立場の方はこのように成長されるのかと感銘を受けた」と明かす。
陛下の語学力は、交際の輪の広がりに呼応して上達した。元側近は「お人柄なのか、一度会った人々から次々とお誘いが入り、それに応えるうちに英語が達者になられた」と説明する。
英外務省が当時、陛下の横顔をまとめた記録が英国立公文書館にあった。テニスプレーヤーでスキーヤー、ビオラ、チェロ、ピアノを演奏するといった説明に続き、<英語はエクセレント。しゃべる時は少しシャイだが、楽しい若者>と書かれていた。
「やっぱり英語は必要かな」「留学した方がいいかな」。学習院の幼稚園から中等科まで、陛下と一緒だった立花
父親の仕事で3年間、メキシコで過ごした経験から「これからの時代はどんな仕事でも海外との接触があるから英語は必要。留学先は英国がいい」と答えた。海外で多様な言語に触れ、イギリス英語は格式が高いと感じたからだった。
ホテルマンの道に進んだ立花さんは、勤務先のホテルオークラで、海外の王族を接遇する皇太子時代の陛下をお迎えしたことがある。「陛下のやりとりは洗練され、堂々としていた。遠い昔の問答を思うと懐かしく、頼もしく感じた」とふり返った。
テムズ川を踏査し研究成果で著書
陛下は即位直前の2019年4月、著書「水運史から世界の水へ」を刊行された。オックスフォード大学のピーター・マサイアス教授とロジャー・ハイフィールド博士の下で、英文の史料を読み込み、テムズ川流域を踏査し、中世の水運史に迫った日々の喜びと苦労をつづられた。
関係者によると、オックスフォードでの研究のゴールを巡り、日英で議論が交わされたことがあった。
日本側に「学位取得」を望む声もあったが、大学側には「審査に合格する水準の論文を英文で完成させるには時間が足りない」という意見があった。
最終的に研究成果を本にまとめて世に問うことになった。陛下は帰国4年後の1989年、英文でまとめた論文「The Thames as Highway(交通路としてのテムズ川)」を出版された。
「日本の水門は電動式ですが、テムズ川の水門は手動で開閉できました」
元建設省河川局長で、陛下のライフワーク「水問題」の相談役を務めた尾田
この記事に関連するニュース
-
【全文掲載】天皇陛下の記者会見 イギリス訪問に先立ち「旧交を温め友好関係さらに深まる機会に 若い世代の交流に期待」
日テレNEWS NNN / 2024年6月20日 13時2分
-
「友好関係さらに深まる機会に」天皇陛下、ご訪英前の記者会見全文
産経ニュース / 2024年6月19日 21時52分
-
思い出の地、英国でひもとかれる「令和の象徴像」 天皇陛下、22日からご訪問
産経ニュース / 2024年6月19日 21時30分
-
天皇陛下の記者会見要旨
時事通信 / 2024年6月19日 20時15分
-
<天皇の素顔>英国留学時代に育まれた平和友好主義―思いやり精神にあふれる、実り多かった日々
Record China / 2024年6月12日 7時30分
ランキング
-
1「どうなってんだ、この国」 怒号飛び交う現場 財務省の車が歩行者はね男性死亡 現行犯逮捕された男は容疑認める【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月21日 0時47分
-
2都知事選、掲示板に同一ポスター 政治団体影響か、「愚弄」批判も
共同通信 / 2024年6月21日 12時16分
-
3【速報】「弟の無念を晴らして」重度脳障がいの男性が死亡前日に自宅売却…契約書が偽造された疑い 遺族が不動産会社の社長を刑事告発
MBSニュース / 2024年6月21日 11時25分
-
4自民党代議士会で公然と岸田首相を批判、茂木派の津島淳氏…「この場に来てあいさつすべき」
読売新聞 / 2024年6月21日 8時43分
-
5首相、今秋に経済対策策定=電気・ガス補助は8月再開
時事通信 / 2024年6月21日 20時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください