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スケボー堀米雄斗「落選」など大番狂わせの可能性も…大混戦のアクションスポーツ五輪争い、きょうから最終戦

読売新聞 / 2024年6月20日 13時42分

野中生萌(今年2月撮影)

 【ブダペスト=井上敬雄】アクションスポーツ4競技のパリ五輪予選シリーズ(OQS)第2戦が20日にブダペストで開幕する。五輪出場権を懸けた最後の予選で、大会終了後に代表が出そろう。5月に行われたOQS第1戦(中国・上海)を振り返るとともに、日本勢同士の激しい競り合いとなっている競技、種目を中心に代表争いを展望する。

スケートボード男子ストリート

 各国・地域3枠を巡る争いは地殻変動が顕著になっている。第1戦では14歳の小野寺 吟雲 ぎんうが2位に食い込んだ。空中で板を縦横自在に回すテクニカルな滑りが武器。安定感も群を抜いており、一躍五輪予選の世界ランキングでトップに浮上した。初の五輪出場へ前進して迎える第2戦へ、「コンディションはいい。自分のスタイルを全力でやっていく」と自信に満ちあふれている。

 昨年末の世界選手権銀で20歳の 根附海龍 ねつけかいり(DC Shoes)は日本勢2番手をキープ。昨年から45秒間自由に滑るランの構成を大きく変えたことで得点が伸びるように。スピード感あふれるランを特長とする17歳の佐々木 音憧 とあも第1戦で4位に入り、日本勢4番手まで浮上してきた。ともに初の五輪出場を目指す両者は、ランで大崩れしないことが躍進につながっている。

 対照的に第1戦では東京五輪代表で、世界選手権覇者の白井 空良 そら(ムラサキスポーツ)が準決勝で敗退、東京五輪覇者の堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)も予選敗退に終わった。東京五輪後にラン2本中1本が必ず得点に採用されるようになり、ランが苦手な白井、堀米には逆風に。堀米のように予備動作が小さく、同じ技でも背中側、おなか側の双方からレールに入って違いを見せる「スタイリッシュ」な滑りへの採点も、五輪予選では辛い傾向にある。

 白井、堀米ともに一発の技を競うベストトリックのレパートリーを見れば、世界トップを争うだけの実力者。第2戦でもラウンドを重ねる中で、ランで失敗しないかが鍵になる。第1戦の前は世界ランクトップだったが、日本勢3番手と代表圏内ギリギリまで後退した白井は「失敗したら終わる状況に変わったが、いつも通りできれば大丈夫」、圏外の5番手に位置する堀米は「(第1戦後は)もう(五輪に)いけないかなと思っていたが、まだチャンスがあった。悔いの残らないように最後まで全力で滑りたい」と誓っている。

スケートボード女子ストリート

 第1戦では15歳の赤間 凛音 りずが2位、14歳の吉沢 ここが3位とそろって表彰台に上がる一方、東京五輪金の西矢 もみじ(サンリオ)は準決勝敗退、世界選手権女王の織田 夢海 ゆめか(同)も予選敗退し、3枠を巡る代表争いは混戦となっている。

 世界ランク2位で日本勢では頭一つ抜けた赤間はパリ五輪予選で2勝。板を空中で縦回転させる技が主流となる中、体ごと回ったり、空中で板を横に回したりするトリックを軸にした玄人好みの技巧派で安定感にも優れる。「五輪には絶対出たい。第2戦も決勝に進んで上位へ」と意気込む。

 世界ランク3位で、日本勢2番手に浮上した吉沢はパリ五輪予選途中から台頭してきた新鋭。トランポリン仕込みの空間把握能力でこれまではランに強みがあったが、最近はベストトリックも進境著しい。一方、日本勢3番手に後退したのが西矢だ。堀米にも通ずる「軽い」滑りや技を出す際のシルエットにこだわった滑りへの評価は非常に高い。反面、トリック選択などは五輪予選での採点とややかみ合っていない感もあるが、「悔いのないように楽しめたら」と自然体を貫く。

 代表圏外の日本勢4番手に位置する東京五輪銅の中山 楓奈 ふうな(ムラサキスポーツ)は軸になるトリックが健在。世界選手権女王の織田は日本勢5番手ながら、ベストトリックでは絶対の武器があるだけに、ランの出来次第で逆転は十分視野に入る。

スケートボード女子パーク

 東京五輪銀、昨年10月の世界選手権を制した 開心那 ひらきここな(WHYDAH GROUP)は第1戦で2位に入って代表入りを確実にし、日本勢は残り2枠を争う形だ。

 世界ランク3位で日本勢2番手につける東京五輪女王の 四十住 よそずみさくら(第一生命保険)は昨年、練習中に右膝後十字 靱帯 じんたいを断裂し、苦しい戦いを強いられてきたが、第1戦で復調をアピールする3位。コースの縁を使った多彩なトリックと試合巧者ぶりがさえ、代表争いをリードしている。

 焦点は3枠目。世界ランク4位で日本勢3番手につけるアジア大会女王の草木ひなの(スターツ)は自ら「 猪突 ちょとつ猛進型」と言うように粗削りながらスピードとひときわ高いエアが武器。第1戦では左足首を固定し、準決勝敗退に終わるなどコンディション面の問題を抱えつつも、逃げ切りをはかる。

 世界ランク9位まで浮上してきた13歳の長谷川瑞穂はハーフパイプに近い「バーチカル」という非五輪種目で活躍しつつ、パークでもパリ五輪予選終盤に飛躍。抜群のスピードに加え、大技も複数組み込む滑りは完璧に決まれば世界トップクラス。安定感が課題ではあるが、日本勢4番手から逆転での代表切符を目指す。

ブレイキン女子

 各国最大2枠を争うブレイキン女子は、第1戦で1位福島あゆみ(ダンサー名AYUMI)、2位湯浅亜実(同AMI)、3位 津波古梨心 つはこりこ(同RIKO)と表彰台を独占。2021年世界選手権女王の福島はムーブ全てが独創的な上、スタミナにも優れている。19、22年世界女王の湯浅は流れるような動きで魅了するオールラウンダー、津波古は身体能力を生かしたアクロバチックな動きとタイプは三者三様。ポイント差は大きくなく、第2戦の早期敗退者が代表争いから脱落する。

その他の注目競技・種目

 ブレイキン男子はエース 半井 なからい重幸(同SHIGEKIX=第一生命保険)が内定済み。第1戦3位の 大能寛飛 おおのひろと(同HIRO10)、8位の菱川 一心 いっしん(同ISSIN)というともに19歳で力強いパワームーブを特長とする2人が残り最大1枠を争う。

 スポーツクライミング女子複合は、残り1枠を巡って東京五輪銀の野中 生萌 みほう、伊藤ふたば(デンソー岩手)の一騎打ちの様相。第1戦は野中4位、伊藤が5位と僅差だった。持久力勝負となるリードの出来がポイントになりそうだ。

 自転車BMXフリースタイル・パークは男子の中村 輪夢 りむ(ウイングアーク1st)が第1戦でまさかの9位に沈んだ。第2戦で上位に入り、代表切符を目指すが、仮に五輪出場権を得られなくても2022年世界選手権で優勝したことによって、アジア枠1が回ってくる可能性が高い。

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