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「企業風土改革はグループにとって非常に重要、不退転の覚悟で変えるべきものは変えていく」…SOMPOホールディングス・奥村幹夫社長兼CEO

読売新聞 / 2024年6月24日 11時28分

インタビューに応じるSOMPOホールディングスの奥村社長(東京都新宿区で)

 中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求で、SOMPOホールディングスは、子会社の損害保険ジャパンともに金融庁から業務改善命令を受けた。社長兼グループ最高経営責任者(CEO)に就任した奥村幹夫氏にガバナンス(企業統治)の強化に向けた取り組みを聞いた。(聞き手・遠藤雅)

金融庁の指摘、真正面から受け止め

 ――ビッグモーターの問題では、利益優先や上位下達の風土が指摘された。

 「金融庁の指摘は真正面から受け止めている。経営陣は悪い情報を上げさせないような態度を取っていたのではないかと、反省している。企業風土の改革は、損保ジャパンだけの問題ではなく、グループにとって非常に重要なテーマだ。再発防止や再建計画の前提となるのはお客様、従業員、代理店からの信頼の回復だ。不退転の覚悟で変えるべきものは変えていく。ちゅうちょせずにということを自分に課していきたい」

 ――背景はどこにあるか。

 「自分たちの成功体験があり、常識だと考えるモノの中でずっと議論をしてきた。価格調整にしても、外から見たら、グループ内でも海外の人が見たらびっくりすると思う。そうしたことが平気で行われてきた。

 お客様のために、やむを得なかったという声もアンケートにはあった。そういった雰囲気や風土、それを支える人事制度に問題があったのだと思う。これらを変えていく。多様な声がマイナスに評価されてしまうと思う人がいた。マネジメントとして現場からモノを言わせないように仕向けていたのではないかと考えている」

 ――健全な競争環境を作るために、政策保有株をゼロにする。

 「2024年度からの3年間で、6000億円以上は売却する予定だ。売却のタイミングは、仮に大きな買収がなくても、30年度末にはゼロにするが、出てきた場合は、総動員で説明して全部売るということもあり得る。

 売却益の使途は、成長投資と株主還元で原則、半分ずつ程度だと思っている。それ以上に企業価値が高まるものが出てくれば、配分を変えていきたい」

国内市場は、人口減にはあらがえない

 ――中期経営計画の柱の一つに海外保険事業の成長を掲げた。

 「国内市場は、人口が減っていくという流れにあらがえない。結果として、車の保有台数は減るし、保険をかける建物の数も減っていく。一方で、10年という時間軸で見ても、海外の保険市場が拡大するのは自明の理だといえる。

 未知な事業分野や、顧客基盤を持つ企業に対しては、M&Aという手段を使うかもしれないが、基本的には自社の経営資源を使って、海外拠点の開設や、人材の採用を進めていきたい」

 ――介護事業に参入し、健康に関わるウェルビーイング分野に力を入れている。

 「介護事業単体では、ウェルビーイングは実現できない。健康に関する様々なサービスをつけていくことが大切だ。健康寿命を延ばしていく、その先に、万が一の際には保険金が出るし、介護が必要になったらサービスが受けられるというパッケージでのソリューションを提供してきたい。既存の経営資源だけではできないので、新たに投資もする。今までの事業モデルに固執せず、一歩前に踏み出していきたい」

◆奥村幹夫氏(おくむら・みきお) 1989年筑波大体育専門学群卒、安田火災海上保険(現損害保険ジャパン)入社。SOMPOホールディングス(HD)執行役専務などを経て、2022年4月から社長。24年4月から最高経営責任者(CEO)も兼務。介護子会社のSOMPOケアの社長を務めるなど、グループの収益多角化を進めてきた。埼玉県出身。

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