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東京都知事選挙で掲示板枠足りずファイルで増設、風が吹くと揺れ正面から見づらく…候補「明らかに不公平」

読売新聞 / 2024年6月21日 11時34分

選管が用意した掲示板にスペースがないため、枠外に増設し、ポスターを貼る候補者(20日午後4時1分、東京都新宿区で)

 56人もの候補者が乱立する今回の東京都知事選。選挙ポスター用の掲示板の枠が不足し、都選挙管理委員会が苦渋の対応を強いられるなど、混乱や問題が相次いだ。

 都選管は選挙ポスターを貼る掲示板のスペースを48人分用意したが、実際の候補者はそれを上回る事態となった。これを受け、都選管は49番目以降に届け出た候補者に対し、自身で枠を作り出してポスターを貼るよう異例の要請を行った。

 都選管によると、今月13日までに48人が立候補の事前審査を受けた。さらに増える可能性もあったが、枠を増やす予定はなかったという。20日の告示後、49番目以降の候補者にはA3サイズのクリアファイルなどを配布した上で、テープや画びょうでファイルを掲示板に固定し、そこにポスターを掲示するよう依頼した。

 都選管の担当者は「候補者に手間を取らせて申し訳ないが、掲示する場所は提供しており、公平性は担保できていると思う」と釈明した。

「増設しなくてよいのか」疑問の声も

 届け出順が49番目以降となったある候補は同日夕、新宿区に設けられた掲示板に選挙ポスターを貼る枠を設けた。掲示板の端に、クリアファイルに挟んだ自分のポスターを画びょうで固定。ポスターは風が吹く度に前後に大きく揺れ、正面からは見づらい。この候補は、同区や杉並区などの掲示板1000か所で同様の作業を行うという。候補は「ほかの候補者と比べ、明らかに不公平だ。後からでもいいから掲示板を増設してほしい」と求めた。

 実際に掲示板を設置している区市町村選管の中には、都選管に「増設しなくてよいのか」などと問い合わせをした所もあり、告示日までに都選管が対応できなかったことに疑問の声も出ている。世田谷区選管の担当者は「掲示板を用意してきたのは、選挙の公平性を守るためだ。これではポスターがはがれてしまう恐れもある」と問題視した。

 公職選挙法に詳しい立命館大学の小松浩教授(憲法)は、「公選法は、選管による掲示板の設置を規定している。風雨の影響を大きく受けるとみられるクリアファイルでは、候補者間の公平性が保たれない可能性がある。選管は法で定められた責任を果たしているか疑問だ」と指摘している。

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