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心拍数を下げる脳の仕組みを動物実験で解明…東大の研究チームが発表

読売新聞 / 2024年6月21日 3時0分

 意図的に心拍数を下げる脳の仕組みを動物実験で解明したと、東京大の研究チームが発表した。心拍数を少なく保つことで、不安の低下やスポーツの成績向上などにつながる可能性があり、新たな治療法や訓練方法の開発に役立つと期待されるという。成果は科学誌サイエンスに21日、掲載される。

 心臓の拍動は、基本的に人の意思とは無関係に働く「自律神経」で制御されている。だが、ヨガや 瞑想 めいそうでゆっくりと呼吸をしたり、心拍数を測定しながら下げる練習を繰り返したりすると、意図的に心拍数を下げられることが知られている。

 チームは、ラット17匹に対し、心拍数が下がると、脳が刺激されて快楽を得られるようにした。この訓練を5日間続けると、1分間の心拍数は、平均約450回から同約200回まで下がり、訓練後も効果が10日間持続した。

 心拍数が下がる際のラットの脳神経の働きを詳しく調べたところ、意思決定や感情に関わる大脳の「前帯状皮質」から出た信号が、複数の脳の部位を経由して、心臓に伝わっていた。この神経のつながりは通常弱いが、訓練によって強化された可能性が高いという。

 チームの池谷裕二教授(神経科学)は「脳と体は非常に密接に関わっていることがあらためて分かった」と話している。

 自律神経に詳しい梅田聡・慶応大教授(認知神経科学)の話「脳からの指示で自律神経が調整される仕組みを明らかにした重要な研究成果だ。人の治療などに生かす場合は、本人の性格や生活環境など様々な要因の影響も受ける点に留意する必要がある」

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