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ミサイル15万発を保有のヒズボラ、イスラエルの対空システム「アイアン・ドーム」破る可能性

読売新聞 / 2024年6月21日 11時7分

2023年12月1日、ガザから発射されたロケット弾を迎撃するイスラエルの対空防衛システム「アイアン・ドーム」=ロイター

 【エルサレム=福島利之】米CNNは20日、米高官の話として、イスラエルと、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラが全面的な紛争を始めた場合、ヒズボラの攻撃にイスラエル北部の防空網が対処しきれない可能性があると報じた。ヒズボラは15万発とされるミサイルを持っており、イスラエルの対空防衛システム「アイアン・ドーム」も対応できない事態が懸念されているという。

 CNNは、米高官3人が「深刻な懸念」を示しており、こうした懸念はイスラエル側に伝えられているとしている。イスラエル軍は18日、ヒズボラへの作戦を承認したが、米国は全面紛争を懸念しているようだ。

 アイアン・ドームは、イスラエルが誇る世界で最も優れているとされる対空防御システムだ。ただ、ヒズボラがミサイルや無人機(ドローン)を大量に同時投入する「飽和攻撃」を展開した場合、迎撃しきれない恐れがある。山など高台から撃ち下ろす砲撃に対処できない弱点もある。

 ヒズボラは、パレスチナ自治区ガザで昨年10月に始まった戦闘に呼応し、イスラエル北部にロケット砲など5000発以上を撃ち込み、29人の市民や兵士が死亡した。これに対し、イスラエル軍はヒズボラ拠点の空爆を続け、戦闘員346人を殺害したとしている。

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