通常国会閉幕 実績上げたのに不信感残った
読売新聞 / 2024年6月22日 5時0分
政府が提出した重要法案は順調に成立したが、「政治とカネ」の問題が尾を引き、政治不信を
通常国会が事実上閉幕した。政府がこの国会に提出した62本の法案のうち、洋上風力発電の設置海域を拡大するための法案を除き、61本が成立した。
経済安全保障の重要情報を扱う人に資格を与える適性評価制度の創設法案は、身辺調査を伴うため、一部に「プライバシー侵害だ」と批判する動きもあった。
だが、自民、公明の与党に加え、立憲民主党や日本維新の会、国民民主党なども賛成に回った。
国際社会では、サイバーやAI(人工知能)といった民間の先端技術の軍事転用が急速に進み、機微な情報の保全は喫緊の課題となっている。野党にも、そうした認識が広がっているのだろう。
また、緊急時に国が自治体に指示できるようにするための改正地方自治法にも、維新や国民民主が賛成した。野党が批判一辺倒ではなく、現実の課題を直視し、協力したことは評価したい。
重要法案が成立すれば内閣の実績となるはずだ。ところが、岸田内閣の支持率は低迷したままだ。政治資金問題の影響が大きな要因だったことは間違いないが、その問題への対処の拙劣さが不信を増幅させたのではないか。
東京地検が安倍派と二階派に加え、首相が率いていた岸田派も立件する見通しになると、首相は唐突に岸田派の解散を表明した。
政治資金規正法の改正案作りを巡っても、当初は自公の実務者に委ねていたが、突然、公明、維新との党首会談で両党の要求をほぼ丸のみして決着させた。
首相が実務者らの判断を超えた決断をすること自体は必要だが、自らの意を事前に説明せず、サプライズ効果を狙ったかのような手法をとったため、国会での法案処理に混乱を招くことになった。
首相が政権の危機を乗り越えるには、党と一体となって政治を安定させることが不可欠だ。
野党側も、次期衆院選を意識し、自民の政治資金問題への消極姿勢を印象づけることに終始した。
政治資金は本来、政治活動を支える与野党共通の基盤のはずだ。政治資金を監視する第三者機関の設置など積み残された課題について、各党で早急に協議し、実効性のある結論を出す必要がある。
内外の課題は山積している。与野党は、閉会中審査を積極的に活用して議論を深めるべきだ。
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