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両陛下英国訪問 思い出の地で親善深める旅に

読売新聞 / 2024年6月22日 5時0分

 日本の皇室には、英国の王室と長く親交を温めてきた歴史がある。両国の絆をさらに強める旅になるよう期待したい。

 天皇、皇后両陛下がきょう、英国への公式訪問に出発される。日程は29日までで、国賓としてチャールズ国王夫妻主催の 晩餐 ばんさん会などに出席される。

 天皇陛下は現地で、ライフワークの水の研究に関連する施設や、日本文化を紹介する施設を視察される。療養中の皇后さまは、体調を整えながら行事に臨まれる。

 両陛下は2022年9月、エリザベス女王の国葬に参列されたが、親善目的での訪英は初となる。20年に令和初の外国訪問として計画されながら、コロナ禍で延期になっていた経緯があるだけに、両陛下の思いも格別に違いない。

 天皇陛下は1983〜85年、英国で留学生活を過ごされ、エリザベス女王やチャールズ国王を始め英王室と交友関係を育まれた。留学記「テムズとともに」では<人生にとって最も楽しい一時期>と当時を振り返られている。

 皇后さまもかつて、オックスフォード大に留学されていた。両陛下は今回、現地にも足を延ばして散策されるという。

 今回の訪英は、お二人にとって旧交を温めたり、昔を懐かしんだりする旅にもなるだろう。

 また、天皇陛下はエリザベス女王の墓を訪れ、花を手向けられる予定だ。陛下が強く希望されたという。礼節を重んじる姿が、英国の人々の心に届くことを願う。

 皇室と英王室との交流は明治時代に始まった。皇族と王族が行き来しながら紡いできた関係は150年を超える。現在、英国の在留邦人は6万人に上り、日英は科学技術や医療、文化など幅広い分野で強固に結びついている。

 一方、先の大戦で日本と交戦した歴史は、英国民の感情にしこりとして残った。今の上皇ご夫妻が98年に訪英された際には、反日感情を抱く元戦争捕虜らが抗議の意思を示したこともある。

 天皇陛下は今回、無名戦士の墓への供花にも臨まれるという。出発前の記者会見では、「過去の歴史に対する理解を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切」との考えを示された。

 戦時下で幼少期を過ごした上皇さまは、平成の天皇として平和への思いを各国への慰霊の旅で示された。戦後生まれの今上天皇も同じ願いを受け継がれている。

 世界各地で戦争が起き、民主主義が脅かされている。平和を願う親善交流の意義は大きい。

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