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怒ってマイク投げ捨て、スタジオから立ち去る候補者…イラン大統領選挙は批判合戦が激化

読売新聞 / 2024年6月22日 6時50分

18日、ペゼシュキアン氏(中央)の陣営を招いて国営テレビで行われた座談会で、熱弁をふるうザリフ氏(左)=国営テレビの映像から

 【テヘラン=吉形祐司】イラン大統領選(6月28日投票)に向け、保守強硬派と改革派の候補の批判合戦が激化している。米国などの制裁への対応をめぐる論戦が熱を帯びる中、国営テレビで生中継された座談会では、怒った改革派の顧問がマイクを投げ捨ててスタジオを立ち去り、物議を醸した。

 大統領選は5月にエブラヒム・ライシ大統領がヘリコプター墜落で死亡したことに伴うもので、保守強硬派5人、改革派1人の計6人の争いとなっている。今月6〜7日にイマーム・サディク大学が3000人を対象に行った意識調査によると、次期大統領に最も期待する政策はインフレ対策(45・2%)で、次に制裁解除(14・8%)だった。

 経済制裁については、強硬派が抜け道による制裁回避を優先するよう主張しているのに対し、改革派は対話による制裁解除を目指しており、真っ向から対立している。

 18日放送の国営テレビの座談会では、改革派候補のマスード・ペゼシュキアン氏(69)が、ロハニ前政権の外相として2015年に核合意をまとめたモハンマドジャバド・ザリフ氏(64)を顧問として伴って出演した。

 強硬派候補のサイード・ジャリリ氏(58)が制裁下での石油輸出を可能としたと主張したことについて、ザリフ氏は「バイデン米政権が制裁を緩和したためだ」と反論した。イランに強硬な共和党のトランプ前大統領が返り咲く可能性があるとして、「反応が見ものだ」と拳を振り上げて批判した。

 対話路線で保守穏健派のロハニ政権は核合意をまとめたが、トランプ米政権の一方的な合意離脱で制裁が再開された。ザリフ氏は強硬派から「戦犯」扱いされており、19日付の強硬派各紙は「負け組の再登場だ」と報じた。

 改革派のペゼシュキアン氏の陣営は、強硬派の集中攻撃を受けている。文化を議題とした19日の座談会では、ペゼシュキアン氏と同席した顧問が、強硬派パネリストの国営放送大学学長から経歴を批判されて言い争いになり、生中継中の国営テレビが音声を遮断した。

 怒った顧問はマイクを投げ捨ててスタジオを去り、残されたペゼシュキアン氏が「この行為が正しいとは言えない」と状況を取り繕う事態となった。

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