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路上飲酒の禁止 最低限のマナーは守らねば

読売新聞 / 2024年6月23日 5時0分

 お酒を楽しむのは、他人に迷惑をかけないことが大前提だ。日本人は飲み方が悪いという印象を海外で持たれないよう、マナー向上のための取り組みを進めたい。

 東京都渋谷区で、渋谷駅周辺の路上飲酒を通年で禁止する改正条例が成立した。10月に施行される。これまでは、禁止期間を10月末のハロウィーンや年越しイベントの際に限っていたが、期間や対象地域を拡大することにした。

 現行条例は2019年に制定された。前年のハロウィーンで、酒に酔った若者らが軽トラックを横倒しにして逮捕されるなど、大きな混乱を招いたためだ。

 条例は飲酒マナーの向上を図る狙いだったが、事態は改善しなかった。その後のコロナ禍では、むしろ店で飲めなくなった人の路上飲酒が広がった。

 今回の改正は、路上飲酒の常態化によるゴミや騒音の問題を看過できなくなったためだろう。

 新宿区でも、ハロウィーン期間の新宿駅周辺の路上飲酒を禁じる条例が成立した。これまで路上飲酒や大声を出す人を注意する根拠が乏しかったが、今後は条例に基づいた対応が可能となる。

 渋谷、新宿両区の条例はいずれも罰則規定がないが、今後、効果が乏しいようなら罰則の導入も検討課題となろう。また、条例制定に踏み切る自治体がさらに増える可能性もある。

 一部の外国人観光客の行動も、問題視されている。

 渋谷駅前の「渋谷センター街」のパトロールで、5月の休日前に路上飲酒の注意を受けた人は1日平均163・3人。その7割以上を外国人が占めた。

 SNSでは、渋谷や新宿の路上で酒を飲む人や泥酔して寝込む人の写真が多数発信されている。

 海外では、飲酒そのものや、公共の場での飲酒を禁じている国もある。一方、日本では路上で酒を飲んで騒ぐことが許されていると誤解し、それを目的に来日する外国人すらいるという。

 放置しておけば、日本や日本人のイメージ悪化につながりかねない。国は外国人観光客の誘致に力を入れている。それならば、観光客増加に伴う負の課題への対応を自治体任せにすべきではない。

 日本の飲酒マナーを紹介し、その順守を求める情報を積極的に発信する必要がある。

 適度な飲酒はストレス発散やコミュニケーションに役立つこともある。だが、それは節度を保ってこそだと改めて自覚したい。

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