「大切な人は突然 誰かが始めた争いで 夏の初めにいなくなった」…高3が沖縄戦追悼式で「平和の詩」
読売新聞 / 2024年6月23日 13時25分
沖縄県糸満市の平和祈念公園で23日に営まれた追悼式では、県立宮古高校3年の仲間
<今年十八になった僕の 祖父母も戦後生まれだ それだけの時が 流れたというのに>
小学生の頃から平和教育で沖縄戦を学んできたが、慰霊の日はテレビで式典を見るだけだった。ここ数年、ウクライナ侵略や、イスラエルへの攻撃に端を発したパレスチナ自治区ガザへの無差別攻撃のニュースに接し、平和を祈り続けた人々の思いが踏みにじられていると感じた怒りが創作の原動力になった。
<大切な人は突然 誰かが始めた争いで 夏の初めにいなくなった 泣く我が子を殺すしかなかった>
インターネットなどで改めて沖縄戦について調べ、79年前の惨禍を伝えようと丁寧に言葉を紡いだ。
生まれ育った宮古島は空襲を受けたが、本島のように多くの住民が犠牲となった地上戦はなかった。身近に体験者がいるわけでもなく、「自分が語ってもいいのか」と葛藤もあった。それでも、島の先輩が2人、平和の詩を朗読したことを知り、「平和への思いを伝える気持ちさえあれば」と切り替え、心を込めた。
<七十九年の祈りでさえも まだ足りないというのなら (中略)もっともっとこれからも 僕らが祈りを
式典では、今も続く戦火に苦しむ人々に思いをはせ、世界に呼びかけるように読み上げた。沖縄の人々がつないできた「祈り」を続けることこそ、平和のためになると信じている。
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