ロシアがアフリカで世論工作、副編集長はワグネル元広報の女性…プーチン政権はプリゴジン氏の利権継承
読売新聞 / 2024年6月23日 19時29分
【ヨハネスブルク=笹子美奈子】ロシアがアフリカに特化したニュース配信会社を使ってアフリカ諸国にロシアのプロパガンダを流布している。アフリカを拠点に活動していた露民間軍事会社「ワグネル」の元社員らが関わっているとみられている。プーチン露政権は、ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が得意だった世論工作を継承し、アフリカの親露化を図る狙いとみられている。
ニュース配信会社は昨年9月、モスクワで登記された。ワグネルの活動拠点だった西アフリカのマリとブルキナファソに事務所を置き、「アフリカン・イニシアチブ」と称して情報を発信している。
仏紙ル・モンドによると、編集長はロシアの情報機関「連邦保安局」(FSB)で露国外での
アフリカでは今年、約20の国政選挙が予定されており、ロシアによる選挙干渉の懸念が高まっている。5月の南アフリカ総選挙では、親露派のアカウントを使って特定の政党の支持拡大を狙った情報が拡散されたと調査団体が指摘している。
プリゴジン氏は民間軍事会社だけでなくメディアグループも経営し、傘下企業の「インターネット・リサーチ・エージェンシー」(IRA)は2020〜22年、アフリカ10か国で偽情報の発信を行っていた。
プリゴジン氏はアフリカで金やダイヤモンドの利権を握っていたが、昨年8月に死亡すると、プーチン露政権は雇い兵部隊「アフリカ軍団」を新設し、こうした利権を引き継いでいる。
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