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堀米雄斗がパリ切符、準決勝で敗れた四十住さくらも…「泣きすぎてきちんと見ることができなかった」

読売新聞 / 2024年6月23日 21時3分

 【ブダペスト=井上敬雄】アクションスポーツのパリ五輪予選シリーズ(OQS)第2戦は23日、ブダペストで最終日が行われた。スケートボード男子ストリート決勝は日本勢が表彰台を独占し、東京五輪金メダルの堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)が合計283・01点で制し、2大会連続の五輪出場を決めた。14歳の小野寺 吟雲 ぎんうが2位、白井 空良 そら(ムラサキスポーツ)も3位でパリ五輪代表となった。

 女子パーク決勝では、すでに五輪出場を決めている開心那(WHYDAH GROUP)が3位。5位の草木ひなの(スターツ)と前日の準決勝で敗れた四十住さくら(第一生命保険)が予選ランキングで日本勢3番手以内を確定させ、パリ行きを決めた。スポーツクライミング女子複合決勝で野中生萌が2位に入り2大会連続の五輪出場が決定。22日のスケートボード女子ストリート準決勝で東京五輪女王の西矢椛(サンリオ)が敗れ、パリ五輪出場を逃した。

劣勢からの大逆転、大きくほえる

 普段はクールな堀米が大きくほえ、板を投げ出した。スケートボード男子ストリート決勝、苦手意識のある45秒間のランを2位で折り返し、迎えたベストトリックの3本目。270度横回転しながらレールに乗る得意の技を繰り出すと、そこからさらにアレンジを加え、板の後端で滑り下りる技を完璧に決めた。劣勢からの大逆転で五輪代表の座をたぐり寄せ、「自分でもびっくり」と繰り返した。

 2022年に始まった代表選考レースでは大苦戦。今回までに出場した大会で表彰台はわずか1回。「2年間は本当に地獄だった。何をやってもうまくいかない。精神的にも苦しい」。5月のOQS第1戦(上海)ではついに予選落ちの屈辱も味わい、最大3枠を争う日本代表で5番手に転落した。一時はパリ行きを諦めかけていたという。

 東京五輪後は周囲の競技レベルが向上し、板を縦横自在に回す小野寺ら年下の選手が台頭し、五輪初代王者の自分が押される格好に。だが、この日、追い込まれた土壇場で本来持っていた勝負師の感覚が目を覚ました。重圧のかかる場面で磨いてきた技の引き出しの多さを披露し、「少し光が見えてきた」と口にした。

 今回は大会途中で左膝を強打。決勝では痛み止めを服用していたことも明かした。逆境に強い王者が連覇を狙うパリへと堂々と乗り込む。(井上敬雄)

白井空良「(友人でもある堀米とともに2大会連続五輪出場を決めて)やっぱり前回王者がいないとつまらない。あいつ(堀米)を倒さないと意味がない」

開心那「パリでは自分の滑りを出し切って、トップに立ちたい。(それまでに)技の成功率も上げ、新しいトリックも増やせるようにしたい」

幼い時に磨いたスピード、今も武器に

 東京五輪金メダルの四十住、銀の開とともにスケートボード女子パークでパリ行きを決めた16歳の草木は「本当に五輪に行けるのかな。半信半疑」と笑った。

 決勝では1本目から勝負をかけ、空中で1回転半する「540(ファイブフォーティー)」を成功。持ち味の高いエアを次々と決め、さらに得点を伸ばした。8歳頃にスケートボードをはじめ、地元の茨城県のパークで大人のライダーらと板に乗って追いかけっこの遊びをしていた幼い時に磨いたスピードが今の武器だ。

 2021年東京五輪後、同年の日本選手権で初優勝して台頭。昨年はアジア大会(中国・杭州)を制し、世界選手権でも銀メダルを獲得した。「楽しんで悔いなく終われるように」とパリでの完全燃焼を誓う。

四十住さくら「(前日準決勝で敗退し、他の日本選手の決勝の結果で五輪出場が決定)泣きすぎてきちんと(競技を)見ることができなかった。五輪連覇できるように、自分の持っているものを全部出し切れるように頑張りたい」

14歳「パリでは絶対勝ちたい」

 初の五輪代表に決まった小野寺は「すごくうれしい」と破顔した。ランを3位で折り返すと、障害物の下り際に板を縦回転させる高難度のトリックを見せて2位。五輪予選に昨年から参戦するとテクニカルな滑りで存在感を示し、予選の世界ランキングを1位で終えた。新時代の旗手と目される14歳は「パリでは自分のスタイルで絶対勝ちたい」と力強く語った。

27歳のクライマー、パリで頂へ

 難関を次々と攻略した野中が、銀メダルに輝いた3年前の東京五輪に続き大舞台の切符をつかんだ。「うれしいですね。感動しました」と喜びをかみしめた。

 前日のスポーツクライミング女子複合準決勝を3位で通過し、一方、五輪代表の残り1枠を競っていた伊藤ふたば(デンソー岩手)は10位で敗退。この時点で代表争いは決着したが、野中に気の緩みはなかった。「(パリ五輪代表が)生萌でよかった、と周りに思ってもらえる登りがしたい」。決勝前半のボルダーでは全4課題を完登し1位に。後半のリードは逆転を許したが、2位で締めくくった。

 リードで落下した後は、悔しそうに壁を見上げた。「自分の100%は出せなかった。早めに疲れてしまい、(終盤の)1手が(滑って)止まらなかった。でも、そういうことも学び」。経験を重ねる27歳のクライマーが、パリで頂点を極めに行く。(平地一紀)

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