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東京都知事選挙の序盤戦で戦略くっきり…小池氏は「公務」重視、蓮舫氏は繁華街で演説

読売新聞 / 2024年6月24日 5時0分

 過去最多の56人が立候補した東京都知事選(7月7日投開票)は23日、告示後初の「選挙サンデー」を迎え、各候補者はあいにくの雨の中、街頭で熱弁を振るった。序盤戦の動きを追うと、各陣営の戦略や狙いが見えてきた。

 告示日の20日は出発式を行っただけで都庁に戻った現職の小池百合子候補(71)。4月の衆院東京15区補選で、一部の政治団体から演説妨害に遭ったことを理由に挙げたが、現職らしく「公務優先」の姿勢を貫き、確実に支持を固める思惑もある。

 公務は都庁に籠もるだけでなく、現場視察に重点を置く。同行するメディアを通じて、2期8年の実績や今後取り組みたい施策をアピールする狙いが透けて見える。街頭演説は週末が中心で、23日は奥多摩町のダムを視察後、JR奥多摩駅前など2か所で演説。2019年の台風19号の被害に触れ、「都民の命と暮らしを守る」と訴えた。

 小池候補を自主支援する自民党や公明党は裏方に徹する。23日も応援でマイクを握ったのは、地元選出の自民議員でなく地元の首長だけ。自民都連幹部は「表には出ないが、各種団体に支援を呼びかけている」と明かし、公明関係者は「都議を中心に地方議員が支持層固めにフル回転している」と話す。

 一方、前参院議員の蓮舫候補(56)は、繁華街での街頭演説に力を入れる。喉を痛めないよう、1日1〜2か所のペースだが、本人が話す時間を多くとっている。

 演説は告示直前に離党した立憲民主党が仕切る。「反自民」の姿勢を強調し、21日には萩生田光一・自民都連会長の地元の八王子市で、自民派閥の政治資金規正法違反事件を批判した。

 ただ、支援を受ける共産党の露出は抑え気味だ。陣営関係者は「左派色が強いと無党派層に敬遠される」と明かす。23日の錦糸町駅前(墨田区)での演説には、共産の吉良佳子参院議員を応援弁士に迎え、「自民と一緒に都知事を目指す人には絶対に勝ちたい」と訴えたが、今回の選挙戦で共産議員と並んだのは初めてだった。

 こうした陣営の事情に共産側も理解を示す。ある共産関係者は「党所属の議員がそれぞれ駅頭などで蓮舫候補への支持を呼びかけている。党公認候補以上の活動量だ」と話した。

石丸氏はSNSで活動拡散、田母神氏は保守層を取り込み

 街頭で最も精力的に動くのは、広島県安芸高田市前市長の石丸伸二候補(41)だ。毎日朝から夜まで30分刻みで演説場所を移動し、支持を訴えている。

 狙いは知名度アップで、自己紹介や政治姿勢に多くの時間を割く。学生街や下町などターゲットを明確に絞り、23日はお年寄りに人気の巣鴨地蔵通り商店街(豊島区)で、「既存の政党に属さない人間が東京の知事になれば政治が変わる」と訴えた。

 ボランティア約5000人がSNSを駆使して、活動ぶりを拡散しているといい、今後の演説では具体的な政策の比重も高める方針だ。

 元航空幕僚長の田母神俊雄候補(75)は、保守層の取り込みに余念がない。告示日には、靖国神社(千代田区)を参拝してから選挙戦をスタートさせ、古巣の防衛省前でも演説した。その後も、保守系団体の関係者らが街頭演説に駆けつけて応援のマイクを握っている。

 一方、原宿や池袋など若者が集まる繁華街では、若者向けの政策を強調し、政治への関心が低い層の掘り起こしにも力を入れる。23日は、住みたい街として人気の吉祥寺駅前(武蔵野市)で、「若い人たちの実質所得が増えるようにしたい」と演説。その後は商店街を練り歩き、記念撮影に応じていた。

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