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「このフランスパン、本当にどちらか一つが木彫りです」……ものの見方が変わる子どもの本

読売新聞 / 2024年7月1日 15時30分

イラスト・大野八生

幼児になって 気持ち知る

 人生には、それを知る前と後では、ものの見え方が変わってしまうような出来事や経験がある。子どもにとっては、毎日がそんな経験の連続かもしれない。本を通して、子どもだけではなく、大人も目を見開かされるような体験をしてみよう。(金巻有美)

 一見、こんがりとおいしそうなフランスパンが2本並んでいる表紙の帯をめくってみると……何と、片方は木でできたパンだった! 木彫りアーティストのキボリノコンノさんによる『どっち?』(講談社)は、どちらが本物か分からない画像が並ぶ写真絵本だ。

 カステラ、コーヒー、たい焼き、お弁当……「どっち?」と問いかけられてページをめくると、「こっちが木だったの!?」と驚く。25匹並んだ煮干しのうち、1匹だけが木彫りという難易度の高いページもある。目に見える質感と実際の素材のギャップに、何度もページをめくってしまう。

 赤ちゃんはなぜ泣いてばかりいるのか? 幼児はどうしてすぐ転んだり、飲み物をこぼしたりするのか? そんな疑問に答えるのが、絵本『こどもになっちゃえ!』(金の星社)だ。著者の「こどもの視点ラボ」は、「大人がこどもになる体験」を通して子どもへの理解を深める研究を行っている。そろって代表を務めるコピーライターの石田文子さんが文、アートディレクターの沓掛光宏さんが絵を手がけた。

 思い通りにならない育児でイライラしているパパとママが、ある日突然、子どものような大きな頭になってしまう。話すこともできなくなり、何か伝えるにも泣くことしかできない。実際に赤ちゃんの頭を大人に換算すると、およそ21キロ・グラムにもなるという。頭がグラグラする不安定な体で生活するのがどんなに大変か、手描きの色鮮やかな絵がユーモラスに伝える。

 石田さんは、「子どもが生まれてから、想像以上に子どもについて知らないことに驚いた。気持ちが分かったら、イライラや不適切な関わりも減るのではないか」と話す。沓掛さんも、「これから親になる人や、子どもと触れあう機会が少ない人にも読んでほしい」と勧める。

 人類はなぜ、地球環境を変えるほどの力を持てるようになったのか? 世界的ベストセラーで、国内累計発行部数147万部の『サピエンス全史』などで知られる歴史家のユヴァル・ノア・ハラリ著『人類の物語』(河出書房新社)は、私たちが暮らす世界を祖先がどのように作り上げたか解き明かす。世界を見る目が確かに変わり、歴史を踏まえた未来のあり方について考えさせられる。

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