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富士山にオーバーツーリズム、商店街交差点には1日4000人超…無断駐車や車道撮影など問題に

読売新聞 / 2024年6月25日 13時32分

本町2丁目交差点から眺める富士山と商店街(5月、山梨県富士吉田市で)

 富士山の絶景スポットとして外国人観光客が殺到する山梨県富士吉田市の「本町2丁目交差点」近くに、市がトイレ付きの駐車場を整備した。周辺は商店街で観光地ではなかったことから、無断駐車やトイレ不足が問題化していた。観光客の滞在を促し経済効果を高める狙いがある。富士山周辺ではSNSで突如「観光地化」してオーバーツーリズム(観光公害)が起きることが問題となっており、解決策となるか期待される。(木村誠)

 「商店街にこんなに人が来るのは久しぶり。でも、写真を撮って帰っちゃうから、お金は落ちないね」。交差点近くで明治時代から続く「わくや履物店」を営む女性(81)は、行き交う観光客を眺めながら語った。

 本町2丁目交差点は富士吉田市の中心商店街「本町通り」にある。雄大な富士山を背景にレトロな街並みが撮影できるとしてSNSで話題となり、多い日には4000人超が訪れるようになった。

 しかし、周辺に駐車場が少なく、店舗の駐車場に止める車が頻発。商店街にはあちこちに「無断駐車禁止」の看板が掲げられるようになった。

 大型車も行き交う中、車道中央や信号のない横断歩道上で立ち止まって富士山を背景に撮影する行為も相次ぎ、商店街ではクラクションが響く。

 女性が危険な行為を注意しても聞いてもらえないことが多いという。さらに、周辺にはトイレがほとんどないため、店にトイレを借りに来る観光客も後を絶たない。女性は「商店街がにぎわっているのはすごくいいことだけど、マナーの違いが気になる」と語る。別店舗の女性店員も「駐車場には無断駐車と思われるレンタカーばかりだ」と嘆く。

 こうした事態を受け、市は観光公害の解決に加え、滞留時間を増やして商店街周辺での消費を促そうと、トイレ付きの駐車場の整備を進めていた。

 駐車台数は27台。市特産の織物の展示スペースも備えたトイレや自動販売機、休憩できるベンチなども設けた。柵やトイレには木を使い、庭石や松の木も設けて、日本らしさを演出した。土地取得や整備に約1億8000万円をかけた。

 オープンした今月1日、堀内茂市長らがテープカットで祝った。堀内市長は「観光公害は顕著だが、観光客は害だけでなく大きな経済効果ももたらす。快適に過ごしてもらうことで、多くの観光客を呼び込んでもらえるだろう」と期待を込めた。

 駐車場は24時間営業で、料金は1時間以内100円(以降30分ごと50円)。駐車区画を平らにしており、市がイベントなどを開催する場所としても使う。

 市では今後、さらに公衆トイレや駐車場、ごみ箱の整備を進める予定という。

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