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パリ五輪マラソンコース、いだてん記者の「完走解説」<3>…箱根の5区上回る「激坂」

読売新聞 / 2024年6月26日 5時0分

パリ中心部

 パリ五輪開幕まで26日で1か月となった。最後の2日間に行われる男女マラソンは、オペラ座やルーブル美術館など華やかな中心地を巡った後、郊外のベルサイユ宮殿を経て市街に戻るルートで行われる。行きと帰りの2度、急坂を乗り越えるコースは、五輪史上最もタフと言われる。学生時代、箱根駅伝に3度出場した近藤雄二編集委員が、過酷な42・195キロを実際に走ってリポートする。(写真と動画は守谷遼平撮影)

 23キロ付近のベルサイユ宮殿に到達した後は、左へコの字形にターンし、帰路も下りが続く。コース最高点からの8キロ弱は、快適に飛ばせる下り区間だ。 28キロ手前で上り、一度平地になってから壁のような坂が迫る。最大勾配13・5%。箱根駅伝の5区にもないようなモンスター級の激坂だ。この日は5月中旬で気温20度程度。600メートルほど、歩くような速さで上ったが汗が噴き出した。8月の本番で気温25度前後に上昇すれば、選手の体力を急速に奪うだろう。 標高172メートルの頂上の後は急な下り。恐怖を感じつつ必死に脚を回す。33キロ手前で平地に。下りで衝撃を受けた脚が、前へ進まない。

 37キロ付近のトンネルなどで軽い起伏があるが、残りは平地。セーヌ川沿いをエッフェル塔に向かって進む。塔を過ぎ、40キロ付近に石畳。力を振り絞ってナポレオン1世が眠るアンバリッド(廃兵院)前にゴールした。 過去3大会のコースを試走したが、中盤と終盤に急坂が待つ設定は、高低差が200メートル以上あった2004年アテネ五輪より過酷に感じた。速い選手より強い選手、切れ味よりタフさがものを言う、難コースだ。

こんどう・ゆうじ 1968年生まれ。早大で箱根駅伝3度出場。2024年別府大分毎日マラソンで2時間50分8秒。昨年は箱根駅伝10区間を走り、夕刊と読売オンラインでコース紹介を連載。

青梅で予行演習

 日本勢は男子の小山直城(ホンダ)、赤崎暁(九電工)、大迫傑(ナイキ)、女子の鈴木優花(第一生命グループ)、一山麻緒(資生堂)、前田穂南(天満屋)の6人が出場する。 昨年、パリのコースを試走した小山は「力勝負では海外選手に負けてしまうかもしれないが、アップダウンや暑さの要素があるので、日本人にも十分可能性がある」と、難易度の高さを前向きに捉える。 赤崎は今年2月、起伏のあるところが「少しパリのコースに似ている」という青梅マラソン(30キロ)に出場して優勝し、「いい予行練習になった」と手応えを口にした。 同じく青梅マラソンで優勝した一山は「しっかり練習を積めば坂道でも力強い走りができると思うので、いい状態でスタートラインに立てるように準備をしていきたい」と気を引き締めた。

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