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「明日まで生きているだろうか」と記したガザの女子高生、カタールへ脱出「戦争は全てを奪った」

読売新聞 / 2024年6月25日 19時45分

カタールの首都ドーハでガザでの避難生活を振り返るマリアさん(5月31日)=福島利之撮影

 「私は生き延びることができて幸せです」

 戦闘が続くパレスチナ自治区ガザから昨年11月、「私は明日まで生きているだろうか」とつづった手記を読売新聞に寄せた女子高校生マリア・ケシャウィさん(16)が、本紙の取材に応じた。マリアさんは今年3月にガザを出て、現在は南東へ約1800キロ・メートル離れたカタールの首都ドーハで避難生活を送っている。

 戦闘開始から6日後の昨年10月13日、ガザ市に住んでいたマリアさんの一家5人はイスラエル軍から「すぐに避難せよ」と連絡を受け、自宅を離れた。その後、南部ハンユニスから中部ディール・アルバラハ、再びハンユニス、最南部ラファへ転々とした。避難した先々で軍が空爆したり、街を包囲して地上侵攻の構えをみせたりしたためだ。

 10月21日、兄はハンユニスで爆弾の破片を頭に受け、重傷を負った。一家の避難生活は5か月に及び、疲労は極限に達していた。一家はガザからの脱出を決意する。1人5000ドル(約80万円)という法外な金額をエジプトの業者に積み、今年3月12日にラファ検問所からエジプトに渡った。

 家族や友人と穏やかな日々を過ごした戦闘前のガザは「天国のような場所だった」とマリアさんは振り返る。しかし、自宅は全壊し、友人2人を亡くした。

 マリアさんはドーハにいる自分が恵まれていると思う一方、ガザから流れるニュースに接すると胸がつぶされるような気分になる。戦闘はいつ終わるのか、将来故郷に帰れるのかも分からない。「この戦争は私から全てを奪った」と怒りを込めたまなざしで語った。取材は5月28〜31日に行った。(ドーハ 福島利之)

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