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小売り各社が「駅近」出店強化…専門店+スーパーの新業態、子育て世帯に照準

読売新聞 / 2024年6月26日 9時0分

 郊外型店舗で成長してきた小売り各社で、出店戦略を見直す動きが相次いでいる。人口減などで市場が縮小するなか、各社は駅前や都市部など人出が見込める立地への出店を進め、共働きや単身世帯の需要の取り込みを図る。(貝塚麟太郎)

 イオンリテールは7月19日、千葉県成田市のJR成田駅近くに「そよら成田ニュータウン」をオープンさせる。新たな業態として展開する都市型ショッピングセンター(SC)の旗艦店だ。売り場面積は3万5000平方メートルでそよらとして最大規模だが、郊外型のイオンモールと比べると小型のSCだ。三重県鈴鹿市などへも出店しており、2030年度までに30店舗に拡大する方針だ。

 そよらは20〜40歳代の子育て世帯や単身層をメインターゲットに据え、スーパーと子育て世帯などに合った専門店を組み合わせる。日常的な短時間の利用を想定しており、郊外型店との差別化を図る。イオンリテールは郊外型の出店を行いながら、都市部での出店を強化する。簑原邦明執行役員は「駅近くに住む人が増えており、将来性を見込める業態だ」と話す。

 1990年代から2000年代にかけて、規制緩和によって郊外で大規模店の出店が加速した。国道沿いに大型駐車場を備え、食品や衣料品、雑貨のほか映画館やレストランを組み合わせた大規模施設が家族連れらに人気を集めてきた。

 イオンはその代表格で、イオンモールは全国に拡大した。ただ、人口減の影響が顕在化し始めている。日本ショッピングセンター協会によると、売り場面積1500平方メートル以上のショッピングセンターは、18年の3220店舗をピークに減少傾向が続く。

 各社が注目するのが、駅近くや都市部の立地だ。スーパーのベイシアは23年、千葉県船橋市のJR津田沼駅近くに初の都市型店舗を開業した。単身世帯向けの総菜や加工食品に力を入れた実験店舗で、今後の出店拡大も検討する。郊外店が多かったホームセンターのカインズも、都市部で通常の半分程度の店舗をテナントとして出店するケースが増えている。オンラインショップと併用すれば、店舗に多くの商品を陳列しなくても対応できるという。

 ただ、単に駅前立地であれば集客できるわけではなく、変化する需要に対応していく必要がある。イトーヨーカ堂は駅近くに出店を続けてきたが、現在は店舗網を縮小している。

 また、都市部では人件費上昇などが大きな負担となる。流通経済研究所の池田満寿次・上席研究員は「都市部の立地では商圏が狭まり、他の業態との競合も激しくなる。消費行動の変化に合わせた店舗作りが必要だ」と指摘している。

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