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博多ストーカー殺人、28日に福岡地裁判決…被害女性に執着しエスカレートする行為浮き彫りに

読売新聞 / 2024年6月26日 14時0分

寺内進被告

 福岡市博多区のJR博多駅近くで昨年1月、元交際相手を殺害したとして、殺人罪やストーカー規制法違反などに問われた住所不定、無職寺内進被告(32)の裁判員裁判の判決が28日、福岡地裁で言い渡される。検察側の立証で、交際終了後も、被告が変装して待ち伏せするなど女性に執着し、行為がエスカレートしていく状況が浮き彫りになった。弁護側は同法違反に関し、事件当日の待ち伏せを否定しており、判決が注目される。

 公判での検察側主張によると、被告が勤務するバーと同じ系列店でアルバイトをしていた会社員川野美樹さん(当時38歳)が2022年4月、そのバーを訪れたことがきっかけで交際が始まった。だが、被告が一方的に川野さんの浮気を疑うようになり、携帯を取り上げるなどし、半年ほどで関係は終わった。

 「別れを告げたが納得しない」。川野さんは同年10月に福岡県警に相談した。被告は何度も復縁に向けた話し合いを求めてきた。不名誉な写真や動画を大量に送信しており、県警は同月、ストーカー規制法に基づき初めて警告。その半月後、長髪のカツラをかぶって変装して川野さんの職場のあるビルで待ち伏せし、「何で警察に電話したん」と詰め寄り、さらに「何年かかってでも恨んだるから覚えとれや」「あんまなめてると後悔すんぞ」などとLINEで5通のメッセージを送りつけた。川野さんは「怖くてたまらない。一刻も早く捕まえてほしい」と県警に訴えた。

 被告は、こうした行動を取った理由について、法廷で「警察から職場に連絡がいき、系列店内での交際が禁じられていたことから100万円の借金を負わされた」と供述。警告を受けた段階では、ストーカーとは相手が嫌なことを言ったり、つきまとったりすることだと理解していたとし、「(自分はストーカーではないと)思っていた。警察に相談されショックだった」とした。

 弁護側証人として出廷した臨床心理士は、被告が父親から繰り返し身体的虐待を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の疑いがあると証言。「現実をありのままに認知する訓練が必要で、心理療法などの専門的治療が不可欠」と説明した。

 事件から1年5か月を経ても、川野さんの娘は学校に通えていないという。検察側は懲役30年を求刑し、弁護側は事件当日の待ち伏せを否定し、同法違反について無罪を訴えている。

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