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関空で点検車両走行の滑走路に着陸許可、管制官が別の車両と誤認…運輸安全委が調査報告書

読売新聞 / 2024年6月27日 10時37分

関西国際空港(2023年12月)

 大阪・関西空港で昨年7月、点検車両が走行する滑走路に、貨物専用機が着陸しようとする重大インシデントがあり、運輸安全委員会は27日午前、調査報告書を公表した。別の点検車両が「滑走路から離脱した」と伝えた交信について、地上走行車両への指示を担当する管制官が車両を取り違えたことが原因の一つで、復唱での確認も不十分だったと指摘した。

 報告書によると、同月20日午前5時35分頃、同空港B滑走路で、青色灯付き車両が路面の状態を点検していたのに、滑走路担当の管制官は、上海発の中国貨運郵政航空機(乗員4人、ボーイング737―800型)に着陸許可を出した。

 郵航機の接近に気付いた点検車両は、管制官に連絡した上で滑走路から出た。郵航機は3480メートルの距離まで迫ったがゴー・アラウンド(着陸復行)はせず、35秒後に着陸した。けが人はなかった。

 関西空港では当時A、B2本の滑走路で計2台の点検車両がそれぞれ作業していた。地上走行車両を担当する管制官は、A滑走路の点検車両から「A滑走路離脱」と無線連絡を受けた際、B滑走路の点検車両との交信と思い込み、「離脱了解です」と復唱した。

 この直後、同管制官から「B滑走路がクリアになった」と聞いた滑走路担当の管制官は、B滑走路上の点検車両に気付かないまま、郵航機に着陸許可を出した。

 報告書は、地上担当の管制官が滑走路名を付けて「離脱了解」と復唱していれば、車両側が取り違えに気付けた可能性があるとした。その上で、「相互に確認するコミュニケーションの基本動作を徹底することが重要だ」と指摘した。

 同空港の管制所は再発防止策として、滑走路名などを付けて指示・応答することを徹底し、同様のケースを想定した訓練を同11月まで実施した。

 地上車両の安全対策を巡っては、今月24日、東京・羽田空港での航空機衝突事故を受けた対策検討委員会が取りまとめた再発防止策に、滑走路進入車両への位置情報送信機の搭載義務付けが盛り込まれた。国土交通省は来年度にも関係法令を改正し、関西を含む主要空港での搭載を進める。

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