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地震で地盤低下の能登町・宇出津港、潮位上昇で連日の冠水被害「台風が来たらひとたまりもない」

読売新聞 / 2024年6月29日 19時51分

車庫が冠水し立ち尽くす川原さん(25日、石川県能登町で)

 能登半島地震で堤防が壊れた石川県能登町宇出津港周辺で連日、冠水被害が発生している。夏場にかけて潮位が上昇しているためで、通行止めや家屋の浸水など生活に支障は大きい。台風シーズンにはさらなる被害が出るおそれもあり、近隣住民からは早急な対策を求める声が上がっている。(川崎大輝)

 25日午後3時半頃、よく晴れた宇出津港周辺は、住宅街一帯が海水につかり、道路は通行止めとなっていた。排水ポンプ数台が動いていたが、町内会長の川原章二さん(71)は「海に水を戻してもまた入ってくるだけ。根本的な対策になってない」とぼやく。

 元日の地震では、「内浦」と呼ばれる能登町や七尾市の沿岸部の一部で地盤が変化したとされ、県奥能登土木総合事務所によると、地震前より地盤が30センチほど沈下したところもあった。

 元日の地震発生後、川原さん宅は津波に襲われ、腰の高さほどまで海水で満たされた。建物そのものに大きな被害はなかったが、土砂まみれになった車庫の復旧のめどが立った6月上旬、大潮の日に再び一帯は海水にのまれた。

 気象庁によると、潮位は気圧が低くなる夏場にかけて高くなる傾向がある。能登半島の満潮時の水位上昇は、春先は15センチほどとされるが、現在は40センチほどとなったと推測されている。7〜9月にはさらに上昇する見通しで、台風と重なれば甚大な被害につながることも懸念される。

 対策は、ポンプによる排水と土のうを1か所に置くだけにとどまり、同事務所の担当者は「住民と対策の方向性を協議したい」とするにとどめた。川原さんは「このまま台風が来たらひとたまりもない。かといって家を空けることもできないし……」と頭を抱えていた。

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