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日本選手団の田口亜希団長「アスリート・センタード」で力を出せる環境整備…若手や女子の競技力向上

読売新聞 / 2024年6月28日 10時32分

インタビューに応じる田口亜希団長

 8月28日開幕のパリ・パラリンピック。日本代表選手団の田口亜希団長(53)が読売新聞のインタビューに応じ、競技する選手を尊重する「アスリート・センタード」の姿勢を強調した。(畔川吉永)

パラリンピアンの団長、女子では初

 夏季大会でパラリンピアンが団長を務めるのは2021年東京大会の河合純一氏(パラ競泳金メダリスト)に続いて2人目で、女子では初めて。射撃で3大会連続出場した経験を振り返りつつ、「選ばれたアスリートはみんな十分に準備はしている。後は本番のタイミングでしっかりとピークを合わせることができれば」と個々の選手の活躍を願う。

 五輪同様、パラリンピックでも日本選手団の主将廃止が決まった。「以前、仲の良い選手が主将になったが、すごく重圧を感じているなと見ていて思った。今はそれぞれが一人の選手として力を発揮する環境を整えるのが一番大事」とし、「例えば、選手たちに時間がある時には(現地の)選手団本部を気軽に訪れてもらったりして、私たちと競技に関係のない話をするなど、少しでも緊張を紛らわしてもらえるような雰囲気作りをしたい」と話す。

有望選手発掘やクロストレーニングが効果

 団長就任後は競技会や選考会を精力的に視察している。ベテラン勢の頑張りを頼もしく思う一方、多くの競技で若手や女子選手が増え、競技力も向上していると実感する。「(有望選手を発掘する)『ジャパン・ライジング・スター(J―STAR)・プロジェクト』が定着し、異なる競技の練習方法を導入して競技力を上げる『クロストレーニング』の効果も出ている」と分析。「クロストレーニング」は21年度に車いすバスケットボールの選手が練習で車いすテニスを体験したのをきっかけに、22年度は七つに増えた。「競泳の選手が射撃をして集中力を高めた例や、練習方法の意見を交換するなどコーチにも好影響がある」

「見られたり応援されたりすることで選手の気持ちも燃える」

 自身はパラリンピックや五輪には様々な立場で携わり、東京大会では選手村の副村長を務めた。その時、「『生き生きと競技するパラの選手たちの姿に勇気をもらった』とボランティアの方に言ってもらえた。うれしかった」と、パラアスリートが多くの人の心を動かしていることに改めて気付かされた。新型コロナウイルスの影響で東京大会は原則無観客で実施された。パリでは多くの観客の中でプレーできる喜びを選手には味わってほしいと願う。「見られたり応援されたりすることで選手の気持ちも燃える。大会全体が盛り上がればうれしい」

田口亜希(たぐち・あき)

 1971年、大阪府生まれ。クルーズ客船のパーサーだったが、25歳の時に脊髄の血管の病気を発症し車いすユーザーに。射撃では自身初のパラリンピックだった2004年アテネ大会で7位に入り、08年北京大会でも8位に入賞、12年ロンドン大会にも出場した。今年3月にパリ・パラリンピック選手団長に就任。日本ライフル射撃協会理事などを務める

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