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宝塚のJR福知山線「秘境駅」に住民悲願のエレベーター設置決まる

読売新聞 / 2024年6月28日 14時18分

 鉄道ファンから「秘境駅」と呼ばれ、兵庫県宝塚市北部にあるJR福知山線の武田尾駅に、エレベーターが整備されることが決まった。周辺には観光スポットが多く、バリアフリー化に向けて、地元住民らが長年、要望してきた。4年後に完成する予定。(高部真一)

 武田尾駅は、市域の3分の2を占める自然豊かな北部の西谷地域にある唯一の鉄道駅。周辺には、ハイカーに人気の旧国鉄福知山線の廃線跡や武田尾温泉があるほか、ダリア園やボタン園など季節を感じられる名所が点在している。

 JR宝塚駅からは約10分で、名塩トンネルを抜けると武庫川をまたぐ鉄橋上にホームの南端が現れ、北側半分は先のトンネルの中にある。2階の改札と3階のホームの間に約50段の階段があり、地元住民らがエレベーター設置を求めていた。

 市によると、1日あたりの乗降客は988人(2022年度)で、JR西日本の設置基準には達していないが、市が駅周辺のバリアフリー化を進める基本構想をまとめたことから、実現に向けて動き出した。JR西の費用負担をゼロにし、国が2分の1、県と市が4分の1ずつを支出する制度を活用する。

 費用は13億円で、同時にバリアフリーのトイレを整備する。今年度から詳細設計に入り、2028年度の完成を目指す。

 設置されるのは2基。駅東側の1基で地上から2階の改札階に。改札を通ってから、大阪方面には同じエレベーターで、三田方面にはもう1基で、それぞれ3階にあるホーム階に上がる。

 21日に視察に訪れた斎藤知事は「誰もが旅行しやすい観光地づくりが大事だ」と強調。山崎晴恵市長は「より多くの人に西谷地域を楽しんでもらえるようにしたい」と、駅周辺の整備も進める方針を示した。

 西谷地域の人口は約2200人で高齢化率(65歳以上の割合)は46%と高い。西谷自治会連合会の平井清文会長(74)は「お年寄りが安心して外出できるようになれば、健康増進にもつながる。駅を中心とした公共交通網を充実させてほしい」と話した。

 観光振興にも期待がかかる。温泉宿「紅葉舘 別庭あざれ」に向かうため、重そうなスーツケースを手に階段を下りる外国人観光客の姿もあるという。松本富子・総支配人(75)は「駅にエレベーターがないため、車いすの利用者が宝塚駅からタクシーで来たことがあった。ようやく長年の悲願がかなう」と喜んだ。

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