1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

ピアニストのトリスターノが自主レーベル設立…未来へ託したバッハ録音、現在映し出す表現模索

読売新聞 / 2024年6月29日 17時0分

「バッハの意図を熟知した上で想像力を働かせる。それはパズルを解くのに似ている」=佐藤俊和撮影

 バロックからテクノまでジャンルを超えた活躍を続ける、1981年ルクセンブルク生まれのピアニスト、フランチェスコ・トリスターノ。自主レーベルを設立して「いま、ここにある」音楽をめざす意図を聞いた。(松本良一)

 メジャーレーベルと独占契約を結んでいたが、昨年、自らのレーベル「intothefuture」(発売はキングインターナショナル)で新たな一歩を踏み出した。「長年の夢がかなってうれしい。自分の活動を展開する上で完全な自由がほしかった」と話す。

 第1弾のバッハ「イギリス組曲」全曲に続き、バッハの「フランス組曲」全曲も発売された。早めのテンポ、軽快なタッチで疾走するかのような演奏。しかし、「未来へ」とうたったレーベルで、なぜバッハを?

 「バッハは自らの音楽を『未来へ』託した人だと思っています。だから過去の音楽ではありません」

 バッハは「人生の伴侶」と言う。二つの全6曲の組曲には特別な思い入れがあり、それには舞曲であることも関係している。

 「ダンスミュージックには特有のリズムがあり、時代を超えた普遍性がある。バロック音楽を演奏する時は歴史をひもとく必要がありますが、想像力も欠かせない」

 クラシックの本流を学びながら、現代曲を好んで弾く。さらにクラブミュージックを愛し、テクノのソロアルバムもある。もちろん自作も。

 「音楽は常に演奏者と共にあり、現在を映し出すもの。その表現に正解はない。いかに説得力のある音を作り出すか、常に新しい可能性を探っています」

 7月3日午後7時から東京・銀座のヤマハホールで「Piano 2.0」と題し、ルネサンスの音楽と自作などを組み合わせたユニークなリサイタルを開く。問い合わせは(電)03・3572・3171。

 また、6日に横浜・青葉台のフィリアホール((電)045・982・9999)でバッハ、フレスコバルディ、ストラビンスキーと自作、7日に東京・三鷹の三鷹市芸術文化センター((電)0422・47・5122)でバッハ、ラベルと自作によるリサイタルがある。共に午後2時開演。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください