羽田衝突事故時、負傷者乗せた救急車30分出発できず…緊急車両を誘導するチーム新設など体制強化へ
読売新聞 / 2024年6月28日 21時42分
東京・羽田空港での日本航空と海上保安庁の航空機衝突事故で、空港の外から駆けつけた消防や救急などの緊急車両に対し、制限区域内で必要な誘導が滞り、負傷者を乗せた救急車が30分ほど現場から出発できないケースがあったことがわかった。当日の状況を検証した国土交通省は、同空港の事故・災害対応の体制強化を進めている。
国交省によると、事故では海保機の乗員5人が死亡、1人が重傷、日航機の乗客ら17人が負傷するなどした。
国交省は1〜5月、消防や病院・医師会、空港内事業者と、事故当日の消火や救護活動を振り返る会合を8回開催。課題を洗い出すとともに、今後の対応策を検討した。
その結果、空港で働く職員・社員で作る「消火救難協力隊」について、休日夜間には最大80人の参集を見込んでいたが、年始休みと重なった当日は約40人で、空港外から集まった緊急車両の誘導が遅れた。
消火・救助の活動も日航機と海保機で2か所に分かれ、各機関の責任者の所在や負傷者に関する情報がうまく伝わらないなど混乱したという。
国交省は8月までに対応要領の改定を進め、同様の事故時に緊急車両への対応を専属で行うチームを新設するなど、初動対応の体制を強化する。負傷者情報の収集・共有方法も改善するという。
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